ICHIGO!!
月城あげは
第1話 いつもの朝
『 いちごー朝よ、起きなさい!』
朝の7時、母の声が鳴り響く。私、鎌野苺恋は近くの大見高校に通っている。今日もいつも通り、朝起きて学校に行く準備をする。今日は風邪あけで1週間ぶりの学校だ。いつもならすぐ治るのに今回の風邪は1週間続いた。
今日は部活の朝練があったので、早く家を出た。自宅の隣が同じバスケ部に所属している安藤 咲楽の家であり、そこに毎日迎えに行くのが苺恋の日課となっている。咲楽はとてつもなく面倒くさがりで人にすぐ頼りきりになる。
「ほら、咲楽!!早くしないと朝練遅れちゃうよ!!」
相変わらず咲楽はマイペースでのんびりと学校に行く支度をしている。
「えぇー、でもまだ電車まで時間あるよー?」
と咲楽は大きな欠伸をしながらのんびりとソファーに座っている。全く困ったものだ、(いつからあんたは電車通学になったんだ…)と思ったものの言わなかった。15分後、やっと咲楽の準備が終わり学校に向かう。咲楽は両親が仕事の関係で海外にいるため一人暮らしをしている。咲楽の性格上、家事などをほったらかしにしているため毎日私が身の回りのことをしたり、ご飯を作って持っていったりしている。別にそれが嫌なわけではなかったが、少しは自分でして欲しいという気持ちがある。咲楽いわく「苺恋がやってくれるから僕はやらなくていーの」らしい。どうやら私は少し甘やかしすぎたみたいだ。学校から家までは自転車で20分程度で着く。2人で近々ある部活の大会の話をしながら学校に向かった。大見高校の女子バスケットボール部は地区大会ベスト4常連の強豪校だ。部員は3年生18名、2年生7名、1年生15名の計40名いる。そんな中で、私と咲楽はレギュラーを張っているのだ。練習は結構ハードなもので朝練と、放課後は19時30分まで練習をする。朝練も軽く流す程度ではなく、みっちりと練習するので朝練が終わったあとの授業中で疲れからくるとてつもない睡魔に襲われるので、授業があまり頭に入ってこない。そんな毎日を苺恋は過ごしている。朝練が終わり、朝のSHRが始まった、もう11月でもうすぐ高校三年生になる。先生からそろそろある程度進路のことを考えるようにと言われた。正直私はまだ進路のことなんて何も考えていない。特にやりたいことがないのだ。昔から続けてきたバスケでもプロになりたいって思ったことはあるが、やっぱり難しいだろう。そんなこんなで私は将来のことなど何も考えていないのだ。
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