第9話
レミリアは、魔法の天才だと思う。魔法のというか、氷属性魔法に世界一愛されてると思う。
魔法の家庭教師が居るのに魔法は独学という、意味の分からない状態で、同世代より頭一つ抜けている。それだけでもすごいのに、さらに扱いの難しい氷属性魔法でやってるのだから。
………思い出すとムカついてきた。なんで家庭教師がいて魔法を独学でやらなきゃいけないんだ。優秀な人材を育てたとなれば、確かに魔法使いとして実績になるけど、だからって任せられた子を放置していい理由にはならんだろ。
「あははは!」
ほら、あんなに楽しそうに魔法使ってる。楽しそうに騎士たちを氷でぼこぼこにしてる。
「楽しそうで嬉しいよ」
さっき二人の騎士団長にギャグマンガのようにぶっ飛ばされてた騎士たちは、今はレミリアにぶっ飛ばされている。
でもまあ本望だろう。完璧美少女
「わあああぁぁぁああ!!!」
「しぬぅ!」
「たすけてえぇぇぇぇ!!!」
そんな大袈裟な…レミリアが人を易々と殺すわけないだろぉ?
「く、狂ってやがる…!」
「なんであんな目ができるんだ…?」
「1番の化け物だろ…」
「なに?俺と
「「「ひぃっ!?に、逃げろぉ!!!」」」
失礼な奴らだな。ちょっとしたジョークだよジョーク。
「楽しかったです!」
「それは良かった」
騎士達をぶっ飛ばしまくったレミリアは、俺の方に小走りでやってくる。
なんで、レミリアって撫でたくなるんだろう。撫で心地良いから良いんだけども。
「ロイ様、レミリア様、昼食のお時間ですよ」
レミリアを撫で繰り回していたら、アリアが昼食を知らせてくれた。
「わかった、ありがとう。では、いきましょうかレミリア様」
「はい!」
レミリアの頭から手を離し、その手をそのまま差し出す。
可愛い御手だ…
食堂。我が家族、父と母と兄、そしてレミリアのお父上と、俺とレミリアが座っている。レミリアのお母上はまだ小さな子がいるからと帰っていた。
座っている場所は、セレナ母さんとレイン父さんとレミリアのお父上、エボルトさんが横並びに。反対側にレミリア、俺、ラドラ兄さんの順で座っている。
ロッシュ家とブルーローズ家はかなり仲が良い。なんせ、現当主同士どころか、その正妻も合わせた4人は学生時代からの親友なんだとか。だから、公でない時は、かなり砕けた雰囲気だ。
「そうなんです!お義母様!ロイ様ったら人気なのに、自覚がないんですよ!」
「あらまあ、大変ねぇ。頑張ってレミリアちゃん!」
「はい!」
「ロイ…兄は、兄は嬉しいぞ…!まさかお前が、こんな…うぅうぅ」
「兄さん、最近そればっかじゃん…もう涙枯れても良いんじゃないかな?」
「仕方がないだろう?!訓練という言葉を聞いただけで拒否反応を示していたあのロイが!こんなに立派になって…!」
「あんまり構いすぎると嫌われるよ?エボルト」
「そうは言うがな、レイン…心配でたまらんのだ」
「気持ちはわかるけどね」
それぞれがそれぞれで会話を楽しむこの空間は、果てしなく心地がいい。
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