るるちゃんは今日もかわいい!

すぅ

***

わたしのアイドル、るるちゃんのお話をするね。

るるちゃんはとってもかわいいクラスの女の子。

色素が薄いっていうらしいけど、色白でクリーム色のふわふわの髪型をしているの。

春色の天使ちゃんって感じ!

ホントに頭の上に輪っかがついてるんじゃないかってくらいキレイな髪なの。

お勉強ができてお歌も上手い。

でも、恥ずかしがり屋さんだからあまり喋らなくて声を聞けないんだ。

歌が上手いとわかったのは、音楽の時間にるるちゃんの隣で歌ってたからなんだ。

か細い声ではあったんだけど、透明感があってすごくキレイな声なの。

るるちゃんかわいいし、絶対アイドルになれると思うんだけどなぁ。

でも本人はそーいうの興味ないみたい。

人の前に立つのも苦手なんだろうな。

るるちゃんともっと仲良くなりたくて話しかけてみるんだけど、いつも恥ずかしそうに俯いてなかなかお話ししてくれないんだ。

でもね、他の子とはときどき楽しそうに話してるの。

なんだかヤキモチやいちゃうよね。

るるちゃんが他の子に笑顔向けてると、なんだかきゅうってなる。

るるちゃんは大人しくてかわいいから、たまに男子に意地悪されちゃうの。

消しゴム隠したり、足ひっかけられそうになったり。

男子ってこどもだよね。

すきのアピールが下手くそなんだから。

そんな時はわたしの出番。

るるちゃん親衛隊として、彼女を守るよ。

すると、るるちゃんはいつも困ったような顔して小さな声で「ごめんね。」って言うの。

その反応見ると、わたしは余計なことしてるのかなって思う時もある…



ある日の帰り道、るるちゃんに呼び止められた。


「み、みかちゃん…」


小さい声だったけど、確実にわたしを呼んだ。


「どうしたの??」


るるちゃんは、スッとわたしに小さな箱を差し出した。


「あの、これ…今日バレンタインだから…」


最後は消え入りそうな声でそう呟き、るるちゃんはわたしにその小さな箱を渡した。

るるちゃんはわたしが受け取ったのを確認すると、たたっと走って帰っていった。


「バレンタイン…」


まさか自分がもらえるとは思わなかった。

今日がバレンタインだったことも忘れていた。

わたしは早く中身を見たくて小走りに帰った。

家についてすぐに箱を開ける。

丁寧に丁寧に…

中にはチョコと、小さな手紙が入っていた。


『みかちゃん、いつも助けてくれてありがとう。

だいすきだよ。』


るるちゃんのかわいらしい字が現れた。

だいすきという文字に嬉しさがあふれ、思わずにやけちゃう。

るるちゃんの手作りチョコを大事に口に運ぶ。

口の中で優しく甘くとろける。

今までで食べた中で1番美味しい。

るるちゃんからの手紙を眺めながら、チョコの甘さの余韻に浸った。



次の日教室に入り、るるちゃんの姿を見つけるとすぐにかけよる。


「るるちゃん、チョコありがとう。」


こっそりとるるちゃんだけに聞こえる音量で話す。

るるちゃんはこくりと少し照れくさそうに頷いた。


「みかちゃんには、どうしても渡したくて…」


一生懸命にお話しする、るるちゃん。

顔がほんのり赤くなってる。


「るるちゃん、わたしもだいすきだよ。」


その言葉を聞いたるるちゃんは、耳まで真っ赤になっちゃった。


なんてかわいいんだろう。


なにしてても、どんなるるちゃんでもわたしをきゅんとさせる。


るるちゃんは、今日もかわいいわたしのアイドル。




――――おわり。

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