はじめて買ってもらったレコード 白鳥の湖

 幼い頃からバレエに憧れていました。

 少女雑誌のグラビアに、森下洋子さんが「白鳥の湖」を踊る姿が載っていて、夢中になりました。

 音楽は皆さん、どこかで耳にしたことがあると思います。チャイコフスキーの、あの哀愁の旋律。

 小学三年の時、念願の「白鳥の湖」のレコードを買ってもらいました、17センチL‘Pです。

 ジャケットは、暗い湖面に浮かぶ白鳥で、バレエでないのが不満でしたが演奏は素晴らしかったです。

 オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団。

 物語の断片しか知らず、生の舞台を見ることもかなわない当時、このレコードだけがバレエと私を繋いでくれました。


 数十年後。

 バレエの舞台を見るようになり、東京文化会館にも行きました。そこで演奏した指揮者のパネルが飾ってあり、オーマンディが指揮棒を振る姿もありました。

 ありがとうオーマンディさん。

 貴方に導かれて、私はここまで来ました。

 文化会館に行く度、彼のパネルを眺めめて感慨にふける私でした。

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