まってろアキラ!
あじみうお
-1-
シュンヤとアヤミとケンタは小さいころからの仲良しです。本当はもう一人、アキラという仲良しがいたのですが、一か月前に突然、別の町に引っ越してしまったのです。
「アキラ元気でやっているかな」
「きっともう、新しい友達と楽しく過ごしているんじゃない?」
「楽しいこと考える名人だったもんな」
三人は顔を合わせるとつい、ため息をついてしまいます。
アキラがいなくなってさびしいのです。
「アキラのやつ、引っ越すこと、なんで最後まで教えてくれなかったのかな」
「新しい住所も教えてくれなかったし」
「なんだか一人でコソコソしていたし」
アキラの引っ越しは突然でした。
春休み、シュンヤたちが何度誘ってもアキラは遊びに来ませんでした。それなのに、三月最後の日に突然ふらりと公園に現れたかと思うと、「今から引っ越すんだ」なんて言うのです。
シュンヤとケンタはびっくりしすぎて、アキラを見つめるばかりでした。
そんな二人を押しのけて、アヤミはあわててたずねました。
「どこに行くの?手紙書くから!住所教えて!」
けれども、アキラは知らんふりで、さっさと家族の待つ車に乗りこんで行ってしまったのでした。
その日以来、三人は何だか元気が出ないのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます