(三)-4

 園子は見る気がしなかった。怖かったのだ。引っ越しの噂といい、昨日の観覧車での出来事といい、自分の事について書いてあるのは間違いない。でも何が書いてあるのか、不安だった。

 だから園子は手紙を小さい背負いのバッグにしまい込んだ。

「あ、うん、これ、前に漫画を貸したときのお礼だと思う。いつもこんなふうにして感想を書いてくれるんだ」

 ひばりには、そう言ってごまかした。

 ひばりは園子に疑いの目を向けた。みんなちょうど食事も終わったところだったので、園子は「さあ、次に行こうよ、次に」と立ち上がった。


(続く)

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