第3話 あれがそうだからこれもそうだとは限らないんだけど、でもやっぱりそれはそれでそうだろっていっちゃう人のなんと多いことかって話。
「なんで神様にも性別があるの?」
俺にはその質問の意味がとんと理解できませんでした。
しかし、俺はその質問にいつも通りの反骨精神でもって返し、自分でもその言葉に納得してしまったのです。
「性別が、あると思うからじゃない?」 と。
これは至極簡単な話で、少し「神様」というモノについて調べてみると、簡単に性別という概念で括られた話が出てきます。
日本神話のイザナミとイザナギ、ギリシャ神話のガイアとウラノスのように父と母の存在から始まり、女神男神といった明確な括りもみて取ることができます。
日本に生きていると、日本神話とギリシャ神話がどこからともなく知識として入ってくる不思議が起きますが、どちらも似た感じのお話です。
父と母にあたる神が、大地を作る、島を作る、新しい神を作る。
そうして物語が繰り広げられていきます。
もちろんこれら全て人間の創作物です。
この物語から学べることがあるとすれば、「人の思い込みは伝染する」ということです。
その昔神様がいて、その神様に話を聞いて作られた物語。
それが神話というものの本質。
などということはありません。
その物語はフィクション。
人の書き記した、伝え残したものには必ず、絶対に虚飾が生じます。
嘘が混じるということはそのもの信頼に値しないということです。
世の中にはいつの間にか、それが真であるかのように存在するものがあるということを理解してください。
人間は簡単にあるものをないものにし、ないものをあるものにすることができるのです。
神様にも性別があるという質問は、性別なんてないかもしれないという可能性を最初から見ていないという前提が成り立ちます。
俺は自分の返した言葉の意味を理解して、そして重ねていったわけです。
「いつから性別があると錯覚していた?」と。
ちなみにジョジョは未読です。
この一連の内容から、俺は一つ思うことがあります。
「成長の過程で得た知識は人間の思い込みの深さに直結する」
ということです。
誰もが家族とのあり方を誰もがそうだと思い込み、誰もが生活のリズムを誰もがそうだと思い込むわけです。
家族ルールや親戚とのちょっとした軋轢、知り合いが何某かのちょっとした専門家だった時の他では得られない知識なんかも、一つの思い込みにつながるかもしれません。
つまり、自分の考えや思考が、誰もが受け入れられるものであるという思い込みはさっさと捨てろ、という話に落ち着くわけですが、ついてこられた人はいたでしょうか?
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