魔法大学の助教さん2。〜魔道士の種と月隠りの魔法陣〜

荒城美鉾

プロローグ

あの遊園地のことを、覚えている。

エントランスから続く土産物屋がひしめくにぎやかな通り、まっすぐ向こうに見える、大きな噴水。

物語から出てきたようなお城がそびえ立つ脇を、山を模したコースをコースターが駆けおり、ジャングルを巡る船が汽笛を鳴らす。

手をつなぎ、二人でたまらず駆け出した日のことを。

その手の、暖かさを。

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