第61話 思ってたより、強力……
夜の公園は寒かった。私の心が冷えているからそう感じるのか、ずっと
その公園で、
「睡眠薬で僕を眠らせる……その後何をするつもりだったのかは知りません。でも……これはれっきとした犯罪行為ですよ」
「睡眠薬なんて……」入れてない、と言いかけて、「ああ……そういえば、そうでしたね。忘れてました」
なんで私は
「さすがですね
「職業柄、気をつけてましてね」それから
「気づいたからですよ」
「……?」
「私には
すべてを失った私に残されたのは、
「私の人生には、あなたさえいればいい」それが私の、最終結論。「なにがなんでも、あなたを手に入れます。たとえそれが、犯罪行為でも」
「……」
言葉の途中で、私は
そして、
「な……!」
「……」私はペットボトルに口をつける。そして中身のお茶をすべて飲み干して、「プハッ……おいしかった……」
「おいしかったって……それは……!」
「わかってますよ。睡眠薬入りのお茶ですよね」
このお茶に睡眠薬を入れたのは私だ。だから、もちろんそのお茶を飲み干すことの意味はわかっている。
「
飲んですぐ、視界が歪んだ。一瞬にして目の前がグニャグニャになって、すぐに夢の中にいるような感覚になった。足の力は一瞬で抜けて、さらに体全体の力が消えていく。
「……! ……!」
なにか声が聞こえる。たぶん倒れた私に
ともかく、私の意識はそこで途絶えた。気持ちの良い夢の中に一瞬でいざなわれて、そのまま眠りについた。
いっそ永遠に目覚めなければ良いのに。
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