第21話 似た者同士
いや……違うな。私は
『なにがあっても手に入れろ』
好きな人ができたのなら、それだけでいい。どんな困難が待ち受けていても、必ず手に入れる。それくらいの気概がないといけない。
結局私は、背中を押してもらいたかったのだろう。
本来、この恋はしてはいけない恋だ。勘違いの恋だ。
だけど……だけど……ちょっとだけ逸脱してもいいだろうか。ちょっとだけ強引になってもいいだろうか。今まで臆病だったから、少しだけ……
「良くないアドバイスするよ」
だけどね、と
「捕まったっていいんだ。その結果他人が苦しもうが、私がどうなろうが知ったことじゃない。彼が私に興味を持ってくれるのなら……それだけでいい。呆れられても、いいんだ」
まだ私はそこまでは吹っ切れていない。犯罪行為に手を染めるつもりはない。まさかそこまで
この人、ヤンデレなんだ。ちょっと相談する相手を間違えたかもしれない。
でも……今の私に必要なのはこの強引さだ。
「
「なに?」
「私が
「え……?」
理由……? そんなの……特になかった気もする。たぶん1年生のときに同じ講義を受講していたとか……そんな理由でしかないような気がする。それでなんとなく友達になって、なんとなく一緒にいただけな気がする。
だけれど、
「私と
「……私と
「最初はそう見えるかもね……でも、根っこのところはおんなじ」
「……そう、かな……?」
「うん」やけに確信を持って言い切るんだな。「そろそろ、わかると思うよ。私の言ってることが、理解できると思う」
「はぁ……」
いまいち実感できない話だった。
「まぁ別に、やり方なんてまかせるよ」
私が自分で決める、か……そりゃそうだろうな。最終的に決めるのは私だ。
……どうしようかな……ちょっとだけ強引に行くことは決まったけれど……どう強引に行動すればいいのだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。