第17話

 東部で起きた反乱。


「ふぇぇぇぇぇ」

 

 その対処をさせるため、僕が派遣した部隊。

 その部隊はこの国でも精鋭中の精鋭であり、防衛の根幹を担うような部隊なのである。

 その部隊がアレステーヌ王国の隣国、カスリーン王国との国境より動かして早一週間。

 そろそろ反乱を鎮圧する頃合い……と言ったところでカスリーン王国の国境に配置している軍よりの伝令。

 カスリーン王国の大規模侵攻の予兆を確認との伝令を受けたエミリア様は情けない声を上げてテーブルの上へと体を倒した。


「なんでこのタイミングでぇ……」


「ふふふ」

 

 情けない姿を晒すエミリア様を見て僕が笑い声を上げる。


「……やっぱり君はスパイなんじゃ」


 そんな僕を見てエミリア様がジト目で僕のことを睨んでくる。


「ふふふ……さぁて、どうでしょう?」

 

「やっぱりここで処しておいた方が……」


「ん?僕の強さは君も見ているでしょ?大きな損失じゃない?」


「……はぁー。ほんと、私は君のことが嫌い。どうせこちらの情報が全部漏れていたとしても、ここまで来たら関係ないもんね。我が国の戦力的に」


「僕はこれでも軍事にも明るいからね……前線の指揮は任せてくれていいよ?どうせ誰も指揮なんて取れないでしょ?」


「……まぁね。すべての指揮官が。というか、その上であるお兄様たちが敗戦の責任を取りたくないから……動かないでしょうね」


「だよね。君は僕しか頼れない。僕を頼って国が滅ぶか、生き残るか。楽しみだね」


「……はぁー。祈ることしか出来ない我が身を呪うわ」

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