第13話

「……」

 

「あっ。リスト。ここに居たのか」


「ん?あぁ……リリス」

 

 テーブルの上に地図を広げ、考え事をしていた僕はいつの間にか自分の隣へと立っていたリリスに声をかけられる。

 僕はずっと視線を落としていた地図から視線を上げ、リリスの方を向く。


「ずっとここにこもっていたのか……お前の姿が見えないとちょっとした騒ぎになっていたぞ」


「え?そうなの?ごめん……」


「いや、リストが謝ることではないよ。ほら、リストは来たばかりだろ?泊まる場所ないだろ」


「ん?あぁ……そうだね。しばらくはここで寝泊まりしようと思っていたところだよ」


「……そんなの頷けるわけないだろ。今の君はエミリア様の助手なのだ。この国の実質的なナンバー2なんだぞ?」


「えっ……?」

 

 僕はリリスの言葉に固まる。

 実質的な……ナンバー2?え?そこまでの役職を僕は渡されたの……?

 

「何を固まっているんだ?」


「いや、なんでもないよ。うん。それで?認められないのなら、僕はどうなるの?どこかの家でも与えられるの?」」


「申し訳ないが、まだ君の家を用意出来ていないんだ……君が良ければの話であるんだが、一旦私の家に来ないだろうか?面識があり、君を受け入れるだけの大きさの家を持っている。私が一番適切だと上が判断したのだ」


「是非」

 

 僕はリリスの言葉に笑顔で即答した。

 金髪美女の騎士さんの家に行けるとかご褒美じゃないですかッ!!!

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