アポカリプス・ナイフ〜最強FPSプレイヤーによる初めてのRPG〜素性を隠す世界最強ゲーマー高校生はVRMMOの世界で無双&SNSでバズって有名になっちゃって困ってます。
ロード画面
プロローグ 世界最強の男
———ズダダダダダダダダダダダダダッ———
銃声があたりに鳴り響く。
近未来をモチーフとした戦場で100人の中から1人の勝者を決める、今世界で最も熱い超人気ダイバー型VR.FPSゲーム"ZONE DAY"。
同時接続プレイヤー数は他の人気タイトルを抑えて堂々たる一位に君臨しており、今日も世界各地で多くの人がプレイしている。
競技性も高く多くのプロチームも存在するなか、このゲームのプレイヤー間には共通して一つの伝説が認知されていた。
◇
———ズダダダダッ、ズダダダダダダ———
「なんだこいつっ!弾が全く当たんねえ!」
「懐に入らせるな!背中合わせに……」
「無理だ!目で追うのが限か」
——バキュゥゥゥン——
キルログが流れる。
「くそっ、やられたか!逃げるしか……」
——バキュゥンバキュゥン——
もう一つのキルログが流れた。
この間わずか3秒。
それを見た他のプレイヤーはキルログと銃声の方向を頼りに、漁夫の利を得ようとゾロゾロと集まりだす。
彼らの銃口は死体ボックスを漁る一人のプレイヤーに向けられた。
——ズダダダダダダダダダダダダダッ——
物陰に隠れていた漁夫10人くらいが一斉に発泡した。死体ボックスの周りは蜂の巣のように穴が空いて、黒い火薬の匂いが充満している。
しかし、そこにはボックスを漁っていたプレイヤーの死体は確認できなかった。
「………何が起こった」
「わからない。突如として漁ってる奴が消えた」
「どうやら他にも漁夫狙いがいるっぽいし、気をつけながら近づいていくぞ」
他の漁夫も同じことを考えていたのか、死体ボックスへと距離を詰めていく。
ボックスまで約10メートルの範囲の物陰に11人が集まったその時だった。
空から降ってきたのだ。終わりが。
「え、ええええ!?なんだあいつ…空から落ちてきているぞ!」
「何言ってんの?えどこどこどこ」
——シュタッ——
誰かが地面へと着陸。それと同時に彼は自ら回転しながら銃を乱発した。
それは正確に、無惨にも、漁夫達の頭を撃ち抜いていく。
漁夫が彼を殺そうと頭を見せた瞬間、何かやばい雰囲気を感じとり逃げようとした瞬間、ただボーっとしてた奴が銃声を聞き、「え?」と顔を出した瞬間。
彼らの頭には風穴が開いていた。そしてそれと同時に、11個のキルログが流れる。
「ふぅ……きもちー」
彼は伝説だった。
プレイヤー名 ”end”
彼はサービス開始時から今に至るまで無敗記録を更新し続けている。
性別とその実力以外すべてが謎。出会ったら最後、すべてのプレイヤーをロビーへと送り返す死神。
あるプレイヤーは彼を恐れ、またあるプレイヤーは彼を尊敬した。
SNS上では彼に関する様々な憶測が飛び交っている。
正体はコンピュータだとか、未来から来た人工知能だとか、はたまた芸能界から突如として消えたあの大物俳優だとか。
否、それらは全て不正解。彼の正体とは……
◇
「………い……おい……おい!!」
「はい、この数列の極限。答えなに?」
「わ、わかりません…」
◇
「きっっっっしょ!いまどき1時間ずっと廊下に立たせるやつどこにいんだよ!」
司は家に帰ると直ぐにベッドに飛び込み、VRゴーグルを装着する。
「あーもう憂さ晴らしだ。暴れまわろ」
近未来な機械音と共に、ゲームが起動する。
『ユーザー名”end”ログインを確認しました。』
この男、
史上最強のゲーマーにして、ただの冴えない男子高校生である!!
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見ていただきありがとうございます。
2日に1話くらいのペースで投稿できたらと思います。
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