アポカリプス・ナイフ〜最強FPSプレイヤーによる初めてのRPG〜素性を隠す世界最強ゲーマー高校生はVRMMOの世界で無双&SNSでバズって有名になっちゃって困ってます。

ロード画面

プロローグ 世界最強の男



———ズダダダダダダダダダダダダダッ———


銃声があたりに鳴り響く。 


近未来をモチーフとした戦場で100人の中から1人の勝者を決める、今世界で最も熱い超人気ダイバー型VR.FPSゲーム"ZONE DAY"。


同時接続プレイヤー数は他の人気タイトルを抑えて堂々たる一位に君臨しており、今日も世界各地で多くの人がプレイしている。


競技性も高く多くのプロチームも存在するなか、このゲームのプレイヤー間には共通して一つのが認知されていた。



———ズダダダダッ、ズダダダダダダ———


「なんだこいつっ!弾が全く当たんねえ!」


「懐に入らせるな!背中合わせに……」


「無理だ!目で追うのが限か」


——バキュゥゥゥン——


キルログが流れる。


「くそっ、やられたか!逃げるしか……」


——バキュゥンバキュゥン——


もう一つのキルログが流れた。


この間わずか3秒。


それを見た他のプレイヤーはキルログと銃声の方向を頼りに、漁夫の利を得ようとゾロゾロと集まりだす。


彼らの銃口は死体ボックスを漁る一人のプレイヤーに向けられた。


——ズダダダダダダダダダダダダダッ——


物陰に隠れていた漁夫10人くらいが一斉に発泡した。死体ボックスの周りは蜂の巣のように穴が空いて、黒い火薬の匂いが充満している。


しかし、そこにはボックスを漁っていたプレイヤーの死体は確認できなかった。


「………何が起こった」


「わからない。突如として漁ってる奴が消えた」


「どうやら他にも漁夫狙いがいるっぽいし、気をつけながら近づいていくぞ」



他の漁夫も同じことを考えていたのか、死体ボックスへと距離を詰めていく。


ボックスまで約10メートルの範囲の物陰に11人が集まったその時だった。



空から降ってきたのだ。が。



「え、ええええ!?なんだあいつ…空から落ちてきているぞ!」


「何言ってんの?えどこどこどこ」



——シュタッ——



誰かが地面へと着陸。それと同時に彼は自ら回転しながら銃を乱発した。


それは正確に、無惨にも、漁夫達の頭を撃ち抜いていく。


漁夫が彼を殺そうと頭を見せた瞬間、何かやばい雰囲気を感じとり逃げようとした瞬間、ただボーっとしてた奴が銃声を聞き、「え?」と顔を出した瞬間。


彼らの頭には風穴が開いていた。そしてそれと同時に、11個のキルログが流れる。


「ふぅ……きもちー」



彼は伝説だった。


プレイヤー名 ”end”


彼はサービス開始時から今に至るまで無敗記録を更新し続けている。


性別とその実力以外すべてが謎。出会ったら最後、すべてのプレイヤーをロビーへと送り返す死神。


あるプレイヤーは彼を恐れ、またあるプレイヤーは彼を尊敬した。


SNS上では彼に関する様々な憶測が飛び交っている。


正体はコンピュータだとか、未来から来た人工知能だとか、はたまた芸能界から突如として消えたあの大物俳優だとか。


否、それらは全て不正解。彼の正体とは……



「………い……おい……おい!!」


つかさはビクッッと体を震わしてバッと顔をあげる。よだれを垂らし、半分だけ開いた眼をこすりながら声をするほうを向く。先生が指し棒を太ももにパチパチと叩きながら、こちらを睨んでいた。


「はい、この数列の極限。答えなに?」


「わ、わかりません…」



「きっっっっしょ!いまどき1時間ずっと廊下に立たせるやつどこにいんだよ!」


司は家に帰ると直ぐにベッドに飛び込み、VRゴーグルを装着する。


「あーもう憂さ晴らしだ。暴れまわろ」


近未来な機械音と共に、ゲームが起動する。


『ユーザー名”end”ログインを確認しました。』




この男、宴道司えんどうつかさ。またの名をend。


史上最強のゲーマーにして、ただの冴えない男子高校生である!!



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見ていただきありがとうございます。

2日に1話くらいのペースで投稿できたらと思います。

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