第7話 2059年:転移前の街並
悠樹の住んでいる街は「拡張現実実験都市」として、
住人全員がコンタクトレンズ型のデバイスを身に着け、ARやVRが様々な場面で取り入れられている。
例えば道路標識はほぼすべてAR、街路樹や、店の看板などもARが使われていることが多い。
コストが非常に安くなるし書き換えも容易で、
道路標識などは時間や交通状況に応じて制限速度が随時更新されて交通渋滞の緩和にも役立っている。
交通は基本的にすべて自動運転の乗り合いバスや車が巡回しており、
希望する目的地へ効率的に移動できる。
街中に電柱が無いだけでなくコンセントも無くすべて街中に巡らされたワイヤレス充電端末から電気がもたらされる。
なので自動車もすべて常時充電となり故障しない限りずっと走行可能だ。
買い物も家電、家具、服などすべて自宅でARVRで試すことが出来るので基本的にオンラインですべて事足りる。
学校の授業は仮想現実内の教室で行われる。学力レベルごとに教室があり、好きなレベルの授業に参加できる。
学校という箱が必要ないため経費はかなり浮くし授業内容も自分に合ったものを受けられる一方、
現実でのコミュニケーション能力や運動能力、精神に及ぼす影響などがあるため、
全国でまずこの実験都市だけで行われることになり、現段階では大きな問題無く運用されている。
また、仮想現実内では時間の流れを疑似的に操作することができ、実質現実より3倍の効率が実現できている。
実験では50倍や100倍も試されたが、多くの被験者の精神に異常をきたしたため、
現在では3倍までとし、更にこの実験都市内だけの運用で試しまだ全国には普及していない。
悠樹はコンタクト型デバイスを付けたまま転移したが、
このデバイスは体内の微弱な電流のみでも動作する。
演算処理やストレージになる端末は首筋に埋め込まれており連動する。
オンライン時はカメラ、マッピングやルート検索から電話、自動リアルタイム翻訳、
ブラウザ機能にゲームとスマホ機能をすべて有したうえで多くの機能が追加されている。
1万人の転移者は誰もチートなどもらっていない。
すべて個々の力で転移した世界を生き抜くしかない。
そのなかでも悠樹が持ち込んだデバイスはチートアイテムなのかもしれない。
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