第5話 二人の天才

(今何時?)


午前6時56分 時間が眼前に表示される。

生体デバイスが有効なのは非常に有難かった。

ただ、リンクが切れているのでリアルタイムかどうかは分からない。

昨日寝た時が23時くらいだったので8時間くらい寝たのは間違いないが、

この世界の時間とあっているかは分からない。


(どこかで時間調整出来たら合わせよう。)


明るさとかを見ると極端に時間もずれていないように思えた。

周りを見渡すと全員まだ寝ているようだったので一人静かに外へ出る。


「あ、おはようございます。ソーマ様!」



「えっと、ラビだったね。早いけどどうしたんだい?」



「いつ起きられるか分からなかったので入り口でお待ちしてました。」

「あ、お水どうぞ。」

「お食事はどうなさいますか?」


手に水差しをもってコップに水を注ぎ渡してくれる。



「ありがとう。もう少ししたら持ってきてくれるかな?」



「はい!承知しました。」



「それと、トイレはどこかな?」



「共同トイレはあちらです。」



「ああ、、、ありがとう。」



トイレと言われた建物?を見ると簡易な小屋がぽつんとあった。

入ってみるとあまり衛生的ではないしウォシュレットになれた人間にはつらいものがある。


(ハイヒールって馬の糞よけのためだっけ?香水も臭いを誤魔化す為だった気がする・・・)

(中世ヨーロッパのトイレ事情が分からないしこの世界も田舎と都会で違うかもしれない。)

(まぁこの小さな村に下水が整備されているわけないし仕方ないか・・・)

(さっき飲んだ水は生水?お腹大丈夫か・・・?)


この世界の生活水準について思いを巡らすがこればかりは実際に見て経験していくしかないだろう。

納屋に戻る前に体操がわりに昨日から借りている剣を振ってみる。

ゲームでの経験した素振りを行い、ゲームと現実の齟齬を埋めていく。


(よし、体は思った以上に動く。これなら昨日のゴブリン相手なら問題無いな。)


コマンダーと呼ばれていた個体が出てきたらどうするか。

昨日必死にやった魔法や身体強化をいつでもできるようにしないといけない。


納屋のすぐ近くの木に向かいまず集中して剣を振るってみる。


「ハァツ」


腕程の太さの枝に大上段から振り下ろすと斬った感触も無く枝が落ちる。


(感触が無い?これは成功か?)


あまり木を細かく切り刻んでは村人から不審に思われるかもしれない。

自重し次に風魔法を試してみる。


(まず突風をイメージして、、、)


手をかざし突風をイメージすると風は枝をゆらし土ぼこりを舞わせる。


(強弱はまた今度試そう。次は風の刃をイメージして・・・)


「ウインドカッター」


イメージし易いように言葉に出す。不可視の風の刃は枝を半分くらい切り裂いたにとどまった。


(出来た!だが威力はどうだろう・・・剣が上だな。慣れるともっと威力上がるかもしれないな。)


烈と紫苑が火と雷の魔法を出していたことを思い出し試してみる。


(火のイメージ、、、まずはロウソクの火くらいをイメージして・・・)


「熱っ!あぁぁぁ」


ほんの小さな火を指先にイメージしただけだが拳が燃え上がっていた。

ゲームだと火をエンチャントした攻撃ができそうだが悠樹はそんなことを思う暇もなく熱さに混乱する。

先ほど受け取って地面に置いていた水差しを慌ててとり手に水をかける。

ジューという音をたてなんとか消化するも火傷を負う。


「くそっ、熱い、痛い・・・」


(風の魔法で消せたか?いや火を消すイメージでもよかったのか・・・)


少し冷静になって考えるが燃えてる状況から冷静に消化をイメージできるか自信は無いし、

ここでもう一度試してみようとは思わなかった。

そのかわりにこれもゲームでは定番の回復魔法を試してみることにする。


(ポーションで昨日は怪我が治った。ポーションなら火傷もたぶん治る。その時の傷が治るイメージ・・・)


「傷を癒せ。ヒール」


イメージと共に声に出す。詠唱というほどでは無いかもしれないが、イメージを補強するために試した。

すると先ほどまでの火傷の痛みがやわらいでいく。

何度かヒールを試すと、ほぼ火傷の跡も無くなり回復に成功する。


(回復魔法ができた!これは大きいぞ・・・)

(どれくらいの人が使えるかわからないけどお金とれたら生活に困らないんじゃないか?)

(ひとまず使えることがどの程度この世界で普通かどうかわからないからとりあえずは隠しておこう。)


「叫び声が聞こえたけどどうしたんだ?大丈夫なのか?」


どんどんと納屋の扉を叩く音とともに烈の声がする。

納屋の扉を外からかんぬきをかけて開けられないようにしていたため、

悠樹は駆け寄って扉を開ける。



「ごめん。大丈夫。」

「ちょっと魔法の練習してて失敗した。」

「火の魔法試したけどコントロールできなくてちょっと自分に火がついて焦った。」

「適正とかがあるかどうかは分からないけど無暗に使ってみるのは危ないかも。」

「特に火とか雷とか失敗して自分が火だるまとか感電とかだとやばい。」


「そりゃ適正はあるんじゃないの?じゃあ俺はやっぱり火なんだろうな!」

「相馬さんは昨日、ゴブリン相手に使ったって言ってたけど何ができるの?」


「俺はさっき改めて試したけど風魔法だな。威力は今のところ低そうだけど、矢から身を守るとかには便利そうだ。」


「へ~。火、雷、風ってバランス取れてるんじゃないの?」

「残りの二人が水属性とかで回復出来たらパーティー完璧じゃん。」


「パーティーって、今後も組んで戦うことになってる?とりあえず街まで一緒に行く。だろ?」


「でも実際どう?知ってる日本人同士でやりやすいし。Sランク冒険者目指さない?」


「ゲームじゃなんだし冒険者なんてあるかわからんぞ。よく考えたら冒険者ってなんだ?冒険してるか?」


「のり悪いな。異世界に来て魔物がいて魔法が使える!すごくない?」


「まぁ気持ちは分からなくはないけど魔物ってゴブリンと戦っただけだし、もしドラゴンとかいたら勝てる気しないけど。」


「だから、これから成り上がるんだって!最速でランク上げて言って受付嬢に驚かれるの!」

「ラノベ脳はやめろって。自分が特別だと思いすぎると死ぬぞ?」

「はいはい。でも考えるくらいはいいだろ?考えておいてよ。」


「あと、二人って成田さんと上田さん?魔法が使えるかどうかはともかく戦える感じじゃなかっただろ?」


「う~ん。たしかに。でも使えないって切ったら後でざまぁされるかもよ?隠れたスキルあったりで。」


「はいはい、別にこのメンバーで組んでるわけじゃないんだから切るも切らないもないだろ。」


男二人で異世界談義をしていると他の女性陣も起きて会話に入ってくる。


「おはようございます。あのぉ、、、、トイレってどこにあるかわかりますか?」


「成田さんおはよう。トイレは向こうのあの小屋っぽいやつらしい。」

(大きい方は置いてあった葉っぱや棒使うんだろうけど小さい方は特に女性どうするんだ・・・?)


あえて口にせず場所だけ教える。都市部や貴族は布か紙を使うんだろうか。

おそらく現代人が快適に過ごすのは難しいだろうがひょっとすると魔法の分野で代替できるものもあるかもしれない。

しばらくすると茜は戻り女性陣で何やら話している。

美雪の文句も聞こえてくるが交代でトイレは済ませたようだ。

納屋に戻って悠樹は全員に話しをする。


「一晩寝て皆落ち着いた?」


特に美雪は昨晩かなり混乱していたようだが多少は落ち着いているようだ。


「昨日は取り乱してごめんなさい・・・」


「いや、別に気にしなくていいよ。逆に落ち着いてる人の方が多くてびっくりするくらい。」



「昨日の話しだけど、俺と赤井さんと佐竹さんはバルセロナに行ってみようって話になった。」

「行く途中に魔物とか盗賊とか危険もあるかもしれないけどそれは自己責任。」

「あと、少なくとも俺は異世界人がこの世界でどう扱われるか分からない間は現地人で通すから。」

「成田さんは上田さんといったんここで生活するって言ってくれてる。上田さんはどう思う?」



「家に帰りたいけど、帰れるかどうかわからないならひとまずここにいます。」

「何かわかったら教えてくれませんか?



「昨日も言ったけど俺自身何も分からないし生きるのに必死なんだ。」

「もともと色々調べるしつもりだし、余裕が出たら知らせるよ。」

「あと騎士団の人たちに貸しがあるからここでの生活が不便にならないようには話してみる。」



「ありがとうございます。それでいいです・・・」


昨日の話しを美雪に伝えると了承される。



「ソーマ様、朝の食事をお持ちしました。」



ラビが食事を持ってきたのでそのタイミングで確認したいことを試す。



「ありがとう。」

「赤井さん、佐竹さん、ラビの言葉は昨日と同じで分かる?何か話しかけてみて。」



「ラビ、ご飯持ってきてくれてありがとな。」

「ラビさん、私たちが何を言っているかわかりますか?



「あれ、お二人は喋れたんですか?昨日は何言ってるか分からなかったです・・・」



「ラビありがとう。もう少し経ってから村長さん呼んできてくれるかな。」



「はい。わかりました・・・」



突然二人が話せたのが腑に落ちなかったのか首を傾げながらラビは戻っていく。



「二人の言葉が通じるようになっている・・・成田さんと上田さんは?」



「昨日と同じでわかりません。流石に簡単な英語だから朝ごはんのことはわかりましたけど。」

「私も英語にしか聞こえないわ。」


「日本語で聞こえるし、日本語で喋っただけだけどなんでなんだろうな?」


烈の感覚としては日本語らしい。



「違いがあるとすれば魔法か・・・」

「頭でイメージしたものが魔法として発動されるなら、ラノベのご都合主義のような翻訳をイメージした二人にはできた?」

「俺はもともと英語ができたから翻訳のようなイメージはしてないからできていないのか・・・」



悠樹はつぶやくも列はどうでもいいらしい。



「まぁ通じるならいいんじゃない?」



「会話はできても読み書きはできないと思うからどっちにしろ勉強した方がいいぞ。」

「覚えたら元の世界でも便利かもしれないし。」

「さぁ、とりあえずご飯食べよう。」



昨日同様、固いパンと塩味のスープだったが今朝は誰も文句を言わずに食べた。

食事がk終わって少し経つと村長が納屋を訪れた。



「おはようございますソーマさま、お呼びとのことでしたが・・・」

「昨日はお疲れのところをこのような場所でありがとうございました。」



「村長。おはよう。まず騎士団の皆さんは大丈夫ですか?」



「皆さま予想以上にお疲れのようで、一度目を醒まされましたが水を飲んで昼まで休むとのことでした・・・」



「そうか。それでは昼過ぎに話しに行こう。」

「ところで、この者たちと話してみたが二人は共通語が通じるようだ。」



「なんと。昨日はまったく通じる様子はなかったですが本当ですか?」



「村長さん。昨日はお世話になりました。」


紫苑が挨拶をする。


「なんと・・・あぁ、翻訳魔法を使われたのですか?」

「共通語がなる前は使うものが多かったようですが今は誰も使いませんが・・・」



「二人は魔法が使えるようだからそのようだな。」

「それで話が聞けたんだがどうやら四人は自分がどこから来たかわからないらしい。」

「寝て起きたら突然森の中にいたところを巡回中の村の者と出会って連れてこられたとか。」

「行き場所も無いし、できれば村に滞在させてあげられないだろうか。



「仕事は何かしてもらいますがそういうことであれば・・・」

「いや、騎士団の方に相談してみないといけません。」

「50年前と同じ異邦人なら国に届けないといけません・・・」



「異邦人?村長それは何だ?」



「聞いたことはございませんか?ヴェネツィアの今の代表はこの世界では無いところから来られたとか。」

「100人くらい突然、皆さんと同じようにこちらに来たそうです。」

「知識や技術、能力があるものが多く、ヴェネツィアが一気に大きくなったそうです。」

「それで周辺の国も異邦人がいた場合は国に届けるようになっています。」



「そうなのか知らなかった。それで、この50年他にも異邦人は訪れたのか?」

「あと、届けた場合はどうなる?」



「他の異邦人は聞いたことがありません。」

「国に届けたら届けたものが報酬を貰えたはずです。」

「例も無いですしその後、異邦人がどうなるかはわかりませんが国が保護するのではないでしょうか。」



(言葉は通じないが知識や技術をもたらすなら生命という意味では保障されそうだが、、、)

(だが飼い殺しで自由は与えられないだろうなぁ・・・)



「なるほど。それでは昼過ぎに隊長に私から相談してみよう。」

「報酬が出るなら村にも貰えるよう掛け合ってみるよ。」



「ありがとうございます。それでは昼まではいかがなさいますか?」



「ああ、この話しが出来る者たちからもう少し事情を聴きたい。」

「それと魔法も使えるようだから力を確認しておく。」



「魔法が使えるのに大丈夫ですか・・・?」



「逆だ。魔法が使えるんだから納屋に閉じも込めて意味が無い。」

「それに話して危険は無いと判断した。」

「人のことない静かな場所はあるか?水場があればなお良い。」



「それでしたら村から出て少し行くと川がありますからそちらで。」

「上流はポーション原料の薬草を育ててますのであまり上流までは行かないでください。」



(ポーションの原料は薬草なのか・・・水耕栽培でもいてるのか?)



「ああ、迷惑はかけない。」

「では全員で午前中は川のあたりにいる。昼過ぎに戻ることにする。」



「承知いたしました。お気をつけて。」



悠樹たちは村から出て村長から言われた方へ10分ほど移動すると川が見える。

少しだけ上流へ行ってみると村長の言っていた薬草を栽培している場所へ出たので下流に戻る。



「じゃあ午前中は各自魔法の検証でいい?」

「赤井さんと佐竹さんは昨日使えたから危なくない範囲で木や川使って試して。」

「成田さんと上田さんも使えるかもしれないからやってもらおうと思ったんだけど・・・」



「私も魔法が使えるなら練習してみたいです!」

「私にも使えるのかしら・・・」



「それが、俺が今朝火の魔法練習してたら手が燃えたんだ・・・」

「コントロールできないと危ないからどうしようかな・・・」

「水とか風とか光とかだと大丈夫な気がするけど、、、」

「この世界にどんな魔法があって属性なんて概念があるかはわからないけどね。」



「ええ!手が燃えたんですか!?」

「本当に?大丈夫そうに見えるけど?」


(しまった。回復魔法のことは伝えるか・・・いや、念のため隠しておこう。


「すぐに消えたのと、昨日ポーションを貰っててそれで火傷は治ったんだけどね。」

「何の魔法をやってみるかは任せるけど安全にね。」


「なぁ、相馬さんは村の人にソーマって名乗ってるんだよな?」

「俺達も苗字にさん付けより名前で呼びあわない?わからないけど平民って苗字無さそうじゃない?」

「年齢とか気にせず、同じ異邦人仲間ってことでさ!」



「俺はそれでも別にいいけど、、、皆もそれでいい?」



女性陣に確認を取ると全員頷く。


「それじゃあ改めて俺はソーマ。烈、紫苑、茜、美雪。よろしく。」


「「よろしくお願いします。」」


「ソーマって風魔法使えるんだよな?俺の火と紫苑の雷は見せたからソーマの見せてよ。」



「ああ、でも風だけに目では見えないぞ?」



悠樹は皆の前で魔法を披露する。


「風よ!」

「風を起こして弓矢とか防げるかな?」

「で、これが攻撃。」

「ウインドカッター!」


早朝の時のように枝に鋭く切り込みが入る。


「これって狐とか鹿だったら倒せる?熊クラスには効くの?」


烈が質問しる。


「俺も同じ印象かな。熊には少なくとも一撃で倒すのは無理だな。」

「まぁもっと鍛えたら威力も上がるかもしれない。」


「よっしゃ!次は俺だ!」

「ファイやボール!」


烈が川に向かって呪文を唱える。

手のひらから火球が川に向かって放たれる。

爆発音と共に水しぶきがあがり水が蒸発する。


「すごい・・・」

「キャッ!」


茜と美雪が反応する。

悠樹のウインドカッターより格段に殺傷能力が高かった。

人に当たれば絶対に助からない。


「おー。俺ってすごくない?ファイアウォール!」


得意げに烈は火の壁を自分の目の前に発生させる。

更にその火の壁を前方に移動させる。


「ファイアウェーブ!」


周囲の温度がかなり上昇したのか、皮膚に熱を感じる。



「お、おい、烈。やりすぎだ!山火事にしたいのか!」



「ごめんごめん。イメージ通りいって楽しくて。ファイアストームとかやってみたいなぁ。」



「そんなのもっと広いとこでやってくれ・・・」



「りょーかい!」



そういうと烈は火を剣状にして自在に振ったり色々試し始めた。


「では私も。」


皆から一人離れて何も話さないからどうしたのかと思っていたら紫苑も魔法を試すようだ。


「ライトニング!」



「なっ!ガッ、、、グッ、、、」



紫苑を中心に光ったと思ったら雷魔法が周囲に拡散する。

様子を見に近寄ろうとしていた悠樹は雷をその身に受け悶絶する。



「はぁっ、はぁ、はっ、ヤバ過ぎる・・・紫苑。頼むからやめてくれ・・・」



「ごめんんさい。でも練習しないといざというとき使えないでしょ?」


謝ってはいるがどこか本心からの謝罪ではなく悪戯な口調で答える。

たしかに紫苑の主張には一理あるが、被害を受ける側にとってはたまったものではなかった。


「やるなら一人でやってくれ、、、というか自分は痺れないのか・・・」


「少しビリッっとしましたよ。でも本当は雷を前方に撃つイメージだったんですけど。」



「烈といい紫苑といい一瞬で高威力の魔法使えるなんて天才かよ・・・」

「列は何種類も応用してコントロールできてるし。」

「紫苑も雷はコントロール難しそうだけど使いこなしたら回避難しそうな魔法で強そうだ。」

「最初に枝を少し切っただけの俺の風魔法の存在なんか皆忘れてるだろ・・・」


(剣はともかく魔法は明らかに二人の方が強い。)

(というかもし距離をとって戦ったら俺絶対勝てないぞ。)


「茜、美雪、魔法がどんだけやばいか分かったか?今の雷魔法って一歩間違えてたら俺死んでたからね?」


「・・・・・・・・」


「すっげー!俺も負けてられないぜ!メテオとか早く試してみたい!」


(隕石落とすイメージなんだろうな・・・というかそれって火か?)


「頼むから二人は自重してくれ・・・まずは森とか洞窟とか狭いところでも使えるような威力の魔法でも練習してくれ。」


そう言って各自試行錯誤していく。


(火に雷か・・・朝は火をコントロールできなかったけどもう一度試すか?)


烈の撃ったファイアボールをイメージする。


「ファイアボー、、、ぐあぁぁぁ!」


手のひらに火球を作ろうとするも今度は腕が炎上する。

すぐに川に突っ込み消化する。



「おいおい大丈夫か?」

「ひっ!」

「魔法・・・危ない・・・」」


失敗して叫び声をあげたことで皆の視線が集まる。

火傷の痛みよりも失敗して叫んだことの方に羞恥心を感じ何の問題も無いという風に手を振る。

次に雷魔法を試してみる。


「ライトニ、、、グババババ・・・・」


今度は皆と距離をとって痛みも事前に覚悟して声を押さえたから誰からも気づかれなかったようだ。

感電して全身が痺れ心臓がバクバクいっている。


(やっぱり二人が特別な天才なのか?それとも単に適正の問題か?)

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