かたっぽの手で。

ももいくれあ

第1話

握った手があったかくて、

ホッとした夜があった。

心細くて、泣きたくて、

辿り着いた先にあったものは、

見たこともない光景だった。

ふっとした瞬間に、隙間から、

背中から押された風が強すぎて、

一気にここまでやってきた。

握った手を、もっと強く、

握っておこう。そう思った。

まだ、間に合うかな。

手は離れてないかな。って

周りを眺めて、探して見たら、

見つけたよ。

こっちを見ている。

真っ直ぐに、キラキラ光る、

大きな瞳。

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かたっぽの手で。 ももいくれあ @Kureamomoi

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