88、無価値の魔物
光が一気に
「ちょ!何で私、クロノ君にお姫様抱っこされているの!?」
「まあ、
「何でっ!?」
現在、俺はユキを文字通りお姫様抱っこしている。うん、まあ
けど、直後俺達の頭の中に直接響くように笑い声が
『あはははははは!お前達も中々やるな!
ああ、そう言えばガイアも居たんだったっけ?うん、急に恥ずかしさが
ユキも同じらしい。顔を真っ
そっと、ユキを下ろす。そんな中、いの一番にオロチがユキの
「母よ、我らが
「オロチ、今までごめんなさい。ありがとう」
「っ、いえ……」
ユキの言葉に、オロチを含めて王達は全員涙を
きっと、本当はそれだけで
果たして、
そんな事を、
「何だ、それは……?」
「「っ!?」」
地の
その光景は、とても
肌には鈍色の
その姿は、まさしく異形。
「クロノ、君?」
「奴はお前の父親だろう?奴にお前の
「…………うん、そうだね」
そうして、俺達は改めて影倉ヨゾラへと
そんな俺達に、ヨゾラは深く深く
だが、それでも俺達は一歩だって
―――さあ、
そう、俺は自分を
俺は、先手を打つように
「クリシュナ!アルジュナ!」
名を
俺が叫んだ瞬間、世界はその
即ち、仮想現実による世界の
これぞ、あの滅びた世界において旧インドの代表二名が行使する異能の正体。
共鳴同調型と呼ばれる唯一の異能を
その世界には俺達のみ。俺とユキ(ガイア)、そして王達とヨゾラのみ。
「っ、これは!?」
「……下らない。その
ユキがその光景に
だから、
「まだだ!ヴォーパル、
瞬間、俺の手元に
ヨゾラは背中にある
「我が
「……遠藤クロノだ」
瞬間、全てを無価値へと
無論、ユキや俺だって黙って立っている訳ではない。ユキも不可視の
俺も、ヴォーパルソードを。そしてもう片方の手に炎を収束させて炎の太刀を生成し魔弾を切り落としてゆく。
「ははは、そうだ!もうガイアの力に
そう言って、ヨゾラは更に魔弾を放つ。それを、俺達は
だが、それでもまだ
だが、それでも俺は
ユキが、
「
「っ!?」
天の星々すら砕くような、強烈無比な
それだけで、星々すら打ち砕く神の雷霆は意図も容易く
しかし、これが効かない事は既に織り込み済み。故に、次へと
「キングス=バード‼」
名を
青白い放電現象と共に、刀身をプラズマが
その光景に、流石のヨゾラも目を
「っ、何だ貴様の異能は!?一体どういう
「王五竜‼」
ヨゾラの
それは、旧中国の代表護衛を務めた男。彼の持つ技能だった。
ありえない。おかしい。どうにかしている。ヨゾラから、
「答えろ!一体どのような
「……所詮、俺には誰かを
ヨゾラの問いに、俺はぽつりぽつりと答える。その間も、俺はその手に持った灼熱の太刀とプラズマを纏ったヴォーパルソードを
振るい、切り掛かる。
「だからこそ、俺は
その言葉に、ヨゾラはようやく俺のやった事を
しかし、ありえないものを見るような。或いは
「……正気か?小僧、お前は自分のやった事を本当に
「世界を
「ふざけるなっ!世界を、全ての命を
「ああ、理解しているさ」
ああ、文字通りその
その程度、受け止められなくて何が
そうだ、俺は英雄になるんだ。全てを
そして、俺の目指す場所。其処にはユキが居て、俺が居て、
「っ、バケモノが……」
「バケモノで結構。俺は、俺の
「
瞬間、ヨゾラを取り
数多の鎖はヨゾラへと
「神野アキト‼神野エリカ‼」
名を
名を
今度こそ皆で笑う為に、そんな世界を
そして、王達も……
「お、おお……おおおおおおおおおおおおおおおおおっっ‼‼」
「おおおおおおおおおおおおああああああああああああああっっ‼‼」
降り
大陸が
ヨゾラは、鈍色の
王達の異能も、全く
「影倉ヨゾラっ‼」
「っ!?」
ヨゾラは、俺に向かって鈍色のエネルギー弾を
だが、それでも俺は駆け抜ける足を
「クロノ君っ‼」
だが、それでも俺は
「っ!?」
「っっ!?」
「「「「!?」」」」
ヨゾラが、ユキが、そして王達が。
だが、
唯一、オロチ一体だけが何処か
「やはり、あいつはそうだったんだな」
「オロチ?」
ユキの疑問に、オロチは
「あいつは殺せないんだよ。どうあっても、殺せなかったんだ」
「殺せなかった……?」
そう、オロチは俺を
殺さなかったのではなく、殺せなかったんだ。
考えてみれば、おかしい話だったんだ。オロチには、俺を生かしておく
それはつまり、俺を殺せなかったという事に他ならないだろう。
「おおおおおおおおおおおおおおっっ‼‼」
「あ、ああああああああああああああああああああっっ‼‼」
そうして、俺とヨゾラの視線が
俺はヨゾラを。二振りの
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