43、旧中国の神仙
旧中国、その山奥には
その男にとって、世の
そんな彼を、旧中国に住む人々は神仙と呼び
そんな旧中国屈指の危険地帯に好き好んで住み、自ら武の
だが、そんな人の
そもそも、他者からの評価を気にするような者が
彼が
だが、そんな彼にも人生の転機となる出来事が訪れる事となる。彼の
先ほども言ったが、その山は古くから怪猿王とその配下が棲息する旧中国屈指の危険地帯だ。そんな山に好き好んで立ち入るもの好きなど神仙と呼ばれた彼以外に一人として居ない筈だった。
だが、そんな山に彼を訪ねて立ち入ったのみならず
一言、ありえないと言っても差し支えない。
それ故、神仙と呼ばれた彼はその少年に興味を抱いた。武の研鑽以外に一切興味を抱かなかった彼が、唯一それ以外に興味を抱いた例外だった。
「神仙様、どうか僕の村を
「神仙様は
零龍。それが神仙と
彼の
少年は、改めて零龍に頭を下げる。
「零龍様、どうか僕の村を救って下さい」
「ふむ、何かあったのか?まずは話を
まずは話を聞くだけは聞く事にした。無論、話を聞いて興味を
零龍に武術の研鑽以外の興味はない。故に、少年の話を聞くだけは聞く。それだけでも一種の異常事態なのだ。同時に、少年が勝ち得た
少年もそれは
「……実は、つい最近になって
「ほう、あの猿どもがついに山を下りたか。で?」
「既に幾つもの山々や村がセイテンタイセイとその配下により
「まあ、あの猿どもの力ならばその
「どうか、零龍様のお力を
「うむ、あい
「っ!?」
零龍の
「だが、無論条件がある。それを
「そ、その条件とは?」
少年は
「なに、簡単な話よ。少年、お前は今より俺の
「零龍様の、弟子ですか?」
「うむ、俺の弟子となる以上はかなり
真っ直ぐと、零龍は少年を
「少年じゃありません。僕の名前は
「あい分かった。では山を下りようか、老虎」
・・・ ・・・ ・・・
「驚いたな、まさかお前が山を下りてまで人を
そう、一匹の猿が言った。その
そんな彼を前に、神仙と呼ばれた零龍は意地の悪い笑みで真っ直ぐ向き合う。
「なに、唯一の弟子の頼みとあっては俺も
「弟子、ねえ?」
セイテンタイセイはそう言って、少年の方を見る。少年は一瞬だけ
その
「なるほど?ずいぶんと面白そうな人材を
その言葉に、零龍も笑った。お互いに
その衝突は、天地を
……その後、三日三晩において両者の戦いは続く。セイテンタイセイと零龍、互いの拳がぶつかり合うそれだけで天が
川は消し飛び、山は
そんな激しすぎる戦闘が三日三晩にも
だが、そんな戦闘にも
互いに息も絶え絶えだった。
「もう、俺もそろそろ
「ああ、俺もだよ……」
「じゃあ、互いにあと一撃に
「そう、だな……ははっ、
そう言って、セイテンタイセイと零龍は深く
セイテンタイセイと零龍の拳が互いの
「……今回は、俺の
「ああ、次こそは……今度こそ息の根を、
そう言って、零龍は立ったまま意識を失った。
・・・ ・・・ ・・・
数日後、零龍は約束通り老虎を弟子に取った。のだが、老虎が
「おにいちゃん、どうしてもいくの?」
「ああ、これは
「う~……」
そんな二人の様子に、やがてしびれを
「ああ、分かった分かった。老虎を
「っ、師匠!?」
その言葉に、誰よりも老虎が
だが、零龍は
「ああ、だがお前を弟子にするのは絶対に
そう言って、零龍は
零龍。彼にはたった一つだけ
だが、それと同時に
人の世には興味はない。それは本当だ。だが、同時に
それを
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