諸外国編
39、旧西欧のある少年
当然の事だが、遠藤クロノが目を
様々な人たちが、様々な想いを持って
旧西欧や旧インド、旧中国、そして旧アメリカなど様々な場所で様々なドラマが生まれては消えてゆく。それは果たしてどのような
様々な想いで、様々なドラマが紡がれてゆく。今回は遠藤クロノが目を覚ます以前の諸外国での出来事へ目を
先ずは、旧西欧のある
・・・ ・・・ ・・・
旧フランスの片田舎。とある
まるで少年が
彼には両親が居ない。生まれてすぐ、名前を
実際、周囲の大人達は少年の事を
しかし、少年は怪物種を
そんな少年を、周囲の人々は変わり者と
この世界に生きる以上、多かれ少なかれ怪物種に対する憎しみを
しかし、それでも彼は怪物種を恨む事だけは
分からないが、少年には怪物種がとても哀れな
どうして、怪物に両親を殺された筈の自分が怪物を哀れんでいるのか?
そんな事を考えながら、集落の
だが、それでも少年は集落の外に
もちろん、少年が気にした事は一度だって無かったが。
そんなある日の事。少年は少しだけ
その場所だけ、まるで旧文明の
風化して
「……………………もしかして、
そう思い、少年はその部屋の奥へと入っていった。
部屋の奥、其処には頑丈そうな機械仕掛けの
そう思ったものの、どうやら
数秒の後、機械仕掛けの扉が自動的に開きその奥の部屋が少年の前に
部屋は旧時代の研究室のようだ。パソコン一式や様々な機械類が
少年はまるで
部屋の奥には巨大なモニターがあった。その手前には、機械仕掛けの
「……
機械仕掛けの棺の中には、まだ
そう少年が思った直後だった。モニターに電源が入り、画面に一人の青年の姿が映し出された。映し出された青年は、深い
『この
そう言って、青年は一言一言丁寧にこの世界の
その内容は、周囲の大人達が語っていた話とは大きくかけ離れた物で。けど青年の表情には一切の
むしろ、青年の表情には真実を知る者特有の一種の覚悟のようなものさえ感じる事が出来たのだった。
その青年が
少年は、周囲の大人達よりも誰よりも大局的に物事を
少年はこの部屋を見て胸がざわついた理由に気付いた。この部屋を見た時、少年は世界が地獄へと変貌した本当の理由が此処にあると無意識で
画面の向こうの青年の話を聞き、少年は自分が本当に戦うべき敵を知った。
『最後に一つだけ、この映像を見ている者に
その一言と共に、機械仕掛けの棺は。恐らくコールドスリープの
少年は赤子をゆっくりと
「頼まれた。どうか安心して俺たちを
そして、想いの
少年はこの時、初めて
……集落に
集落から黙って出た事もそうだが、帰ってくるなり知らない赤子を抱きかかえて帰ってきたのだ。
「名無し、その赤子は一体どうしたんだ?」
「
あまりにも端的な少年の回答に、問い詰める大人は額に
「それから、これから俺の事はクラウンと呼んで欲しい。俺の
「クラウン?」
「今決めた」
「あ、ああ……」
クラウンと
どうやら、クラウンは
「で、その赤子はどうするつもりだ?誰かに
「俺が
「出来るのか?お前はまだ八歳未満だろう?責任なんて、そんな事を簡単に言えるような歳でもないだろうに」
「育ててみせるさ。それがこの子を
即答だった。あまりにも
それ以上に、クラウンの覚悟の籠った表情に何も言えなくなったのだ。
もう話は
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