労働基準法における健全な運用と改善点

NOTTI

第1話:労働基準法は機能しているのか?

 現在、日本には労働関連法におけるトラブルやパワーバランスの比率の崩壊が表面化していないが、潜在的に発生していることはあまり知られていない。特に、契約などの雇用問題や採用後の業務内容が異なるなどの求人問題など多岐にわたる労働問題が発生している。しかし、これらの問題が起きた場合でもきちんとトラブル解決のためのシステムが構築されている訳ではない。そのため、労働者側では太刀打ちできないレベルの話になっていく場合もあり、そこで仲介が入ることもない。


 私自身、疑問点がいくつかある。まず1つ目に“会社がきちんと契約を管理・履行しているのか?”という点だ。これは、一般的な観点から見ても疑問点を抱く人が多い。実際に就労経験のある人たちにとっては「会社側できちんとした契約を結んでくれているから、安心だ」という安心感が生まれるが、ほとんどの場合は契約というのは法律で決められているものを換算して出している基本的な契約であり、毎月一定金額をもらえるという保証契約とは異なる。そのため、1番困るのは労働契約書で交わした残業時間の区分の認識の違いだ。現在、36協定という特例事項を定めた契約が可能だが、この契約をきちんと守っていない場合が多い。これは、会社が労働基準監督署に申請を出して、審査で承認されることで適用できる残業区分だが、これらを勘違いしている会社などが多い。36協定は月最大45時間で年間360時間までと定められており、45時間を超えて労働させてはいけないということになる。しかし、月45時間を超えて働かせていたことが分かった場合、会社側は発覚を恐れて勤務報告書や勤務管理システムの時間を書き換えるなど違法性を認識していながら法令遵守を優先することがおおい。そのため、企業によっては支払われるべき賃金が支払われない、賃金の算定方法が法律に則っていないなど労働トラブルに発展する可能性がある。しかし、今の労働基準法では労働者側がきちんとしたエビデンスとなる書類等を示し、それらに基づいて基本調査等を行い、企業による労務管理の不備等の悪質性が認められる場合に労働基準監督署が臨検等による強制捜査を必要とすると判断するが、ここまで行くにもかなりの時間や労力を必要とし、会社側がすでに証拠書類となる業務報告書や勤務報告書などを破棄もしくは書き換え等を行っている場合も少なくない。


 これでは労働基準法がきちんと遵守されているとは言える状況にない。だからこそ、労働基準法が定める労働管理に関する要項や労働関連法に基づいた労働環境の整備などを進めていかなくてはいけないだろう。


 しかし、現在は労働基準法という法律はあるものの、企業の抜け穴が多く、違法行為であっても正当化されてしまっている部分が多い。そのうえ、仮に問題が発生しても解決に向けた話し合いは全て個人と企業に委ねられてしまうため、きちんとした知識を持っていないと会社側をひっくり返すことは出来ない。


 果たして労働基準法はきちんと機能しているのか?それとも機能していないのか?

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