厨二魂ダークネスフレイム
@Shadow_Night
第壱話「始まり」
──────闇の
1人の少年がいつもの通学路を、いつもと変わらない暗い顔で歩いていた。
(今日も、怠惰な日々が始まる。
学校などという愚族の巣窟に足を運び、意味の無い教育課程に沿った学習をさせられるのだ。この俺にとってはそんなものどうでも良いのだが……あいにく、周囲に俺の正体を見破られては行けないという結束に強制される羽目になっている。)
「おはよう!慎太郎君!」
その声に振り向くと見慣れた顔がある。
呆れたような口調で、谷川慎太郎は言った。
「フフフ…俺の事は
「ああ……そうだったね。ごめん」
(こいつは健人……俺の正体を知っているただ一人の”人間”だ。恐らく前世でも何かしらの繋がりがあるのだろう。)
「それでさ…えっと…ダークネス君?今日は初めての中間テストだけど自信ある?僕はちょっと英語だけいい点取れそうな気がするんだー」
「テスト……?フフフあんなの唯の暗号に過ぎない。闇の世界より蘇りし俺にとっては遊戯みたいなものさ」
「またそんなこと言って…だからクラスの皆に笑われるんじゃないか…面白いから良いけどさ。この前なんて教室に大鎌の玩具持ち込んで滅茶苦茶怒られてたよね。すっげぇ泣いてたし」
「いや…すまん…あれは余りの下らなさに欠伸が出て、つい涙がな」
「ああ、そう…」
そんな事を話す内に2人は教室についた。
(まったく…妄想に浸るのは良いけど、慎太郎君にはもう少し節度を持って行動して欲しいよ。僕らもう中学生なんだからさ)
教室では生徒たちが騒がしく談笑をしていた。そこへ教師も入ってきて、朝の会の準備を始める。
「うっ…!ぐはぁ!」
そんな穏やかな朝に突然
「クソッ!鎮まれ!ぐあぁっ」
腕を抑えたまま走り出し教室を飛び出す(韋駄天の神速)いつもの光景に健人は溜息をついた。
(慎太郎君はトイレに行く度に腕を抑えるんだよな…正直、慣れすぎて先生すらも気に止めてないよ。)
(そういえばずっと前、慎太郎君が
───俺は
「漆黒の裁定者」闇の世界の管理人であり守護神。闇の世界で最強を争う強さを誇るが、その性格は非常に冷酷。闇の世界と人間界の狭間である<<エルガ>>において闇と人の審判を行う。それが本来の仕事であるが、今は事情により人間界で少年として生活している。主な武器は紅色の大鎌。片手にジャックナイフを持つこともある。眼は金と紅の瞳を持ち、潰されると金からは光り輝く竜、紅からは血塗られた狼が姿を現し敵と戦う。その力は悪魔をも───
(確かこんな感じだった気がする。相変わらず聞いてるこっちが恥ずかしくなるような内容だけど……)
ズガーン!!
その時、雷鳴のような音が教室中に轟いた。
生徒たちが校庭を覗いて悲鳴を上げたり、驚いた顔をしている。
(何だ?)
その頃、丁度トイレを終えた慎太郎が帰ってきた。
「何の騒ぎだ?やはり俺が居ないと駄目なようだな……フフっ」
健人と慎太郎は生徒を掻き分け窓から校庭を覗き込む。二人の目に映ったのは、信じられない光景であった。
蒼く輝く円が校庭の真ん中に浮いている。それはまるで巨大な穴のようだ。周りには2年生だろうか、生徒の惨殺死体が幾つも倒れている。
…悲鳴をあげる生徒達の中で、慎太郎はただ1人目を輝かせて笑みを浮かべた。
to be continued…
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