その腕に抱く人
茅川 百々花
その腕に抱く人
ここから見える景色は、花弁の大半が散り落ちて、残骸のようになってしまった桜並木だけだ
屋上に備えられてるベンチに座り、それを2人で見つめ、残念そうに私より先にため息をつく隣のクラスメイト、私の恋人だ
びっしり生え揃ってある長いまつ毛に透き通るような白い肌
水面下にいるように思わせる冷たい目つき
私はそんな彼女の事が好きで、何より大切だった。
「あーあ、昨日の大雨でやられちゃったかー」
足をじたばたさせつつ、私の方を横目見てくる
「……。そうみたいだね。」
「ねぇねぇ!愛しの恋人さんよ!1つ提案があるんだけど!」
ぐいと顔を近づけてくる彼女、すかさず腰に手を回す私
「わわ!ちょっと〜、がっつき過ぎだよ!」
「いーよ。このまま聞かせて。」
彼女から聞かされた提案
彼女の為にはなるが、私にはかなり耐えれない内容だった
話を聞きながら、この2年間の間の彼女の喜怒哀楽全ての表情が頭に浮かんでくる
その翌日、私たちは、またこの屋上に向かっていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます