第17話 間話 ツバサくんのゴミ箱
目の前に筋肉質な体を折り曲げて、オイオイ泣いているミカエラがいる。
そしてその前には本神の1.5倍くらいの大きさで似た様なポーズの彫刻が有る。
2倍ウザい。
「アタシ、こんなんじゃなぁああいぃぃぃ!うえぇぇんん~」
いや、今までで見たどんな芸術家より完璧に写実的なものが出来ていると思う。
「何?自分の姿を偽りで残したいほど自分に自信がないの?」
前々から気になっていたことを聞いてみる。
「そんなことないわようぅ、偽りなんてしてないわよー。アタシは全ての生き物の中で一番美しい♡んだからぁ!」
「ならこれが最高の出来じゃん」
ちゃんと似てるし筋肉も衣装も装飾品も嘘偽りなしの再現度だ。
「なんでよぅー私はもっと良いお尻してるしもっと良いオッパイよぅ~☆」
ほら良く見ろと胸を持ち上げる姿で主張しているミカエラが心底ウザい。
「えー、君認知の歪みでも持ってんの?」
「貴方のせいでツバサくんがあんな擦れた子になっちゃったじゃな~ぁい!」
「いや、あれは元々だろう」
中身が人間の中では中年って言う年齢だから擦れるも何も無いだろうって。
「真実を歪めないとても素直な部類の人格だと思うよ」
「どこが素直なのよ~こんな地味な意地悪して~」
と、お供えされた駄菓子を食べ始める。
食べるんだ?
そう言えば激辛調味料も文句言いながら普通に食べてたね。次の日尻を抑えて悶絶してたけど何でだろう?
だって僕たち排泄しないから。何てったってアイドルだからね!
・・・神だからね。
「だいたいエンファスがヒゲだの喉仏だの言ったからツバサくんが本気にしちゃったじゃないのぅ!」
分かっててノッてると思うよ?
「ネチネチうるさいなぁ、こうやって話してるうちにヒゲ伸びてきてるぞ」
指摘してやると自分の顎周りに手をやってジョリっと感じたのかダッシュで化粧直しに行った。
「イヤァァーー~ー!」
不思議だよねぇ。髪の毛そんな伸びないのに何故ヒゲだけ主張が激しいのか?
ぼくのヒゲは伸びないし、そもそもある程度の年齢から成長しない様に調整してるから面倒な作業は何もない。
化粧も直して戻ってきたミカエラの上からバサバサ〜ドーンといくつかゴミ袋が降ってきた。資源ゴミをちゃんと分別してある!
ツバサくん、わりとしっかり者?
「イヤァァ!!何でゴミが毎日降ってくんのよおおおおぉ!!」
袋から出てないから被害は出てないっぽいけど、あまり気分は良くないよねぇププ。
「ツバサくんがゴミ箱ってやるとミカエラに届く様にしてあるんだ〜」
「っなぁんてことすんのよぉおお!!」
ぷりぷり怒りながら焼却処分してる。せっかくツバサくんが環境に気を遣ってくれたのにねぇ。まぁこの神界では影響無いけど。
あ、お供えもボタンでポチっと出来たらもっと頻繁になるかなぁ。
美味しいよねぇ。地球の食べ物。
神は食べ物要らないから、お供え物があったら食べられる感じ。お腹は空かないけど、やっぱりお気持ちが籠もった物を貰うのって嬉しいからね。
この前貰ったコーヒーとチョコレートケーキで休憩しよう〜っと。
「な・・・何でアタシにはケーキが来ないのよぉぉおお〜」
プルプルしてるけど、あげないよ〜。ちゃんと自分宛てで頂いたモノしか神は食べられないからね☆
ツバサくんの心象を良くするしか無いよ〜。ガンバ(^ω^)/
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます