どじっこ女神(自称)のせいで思ってた転生と違った≪おれ≫の物語
紫楼
第1話 カッコよく決めたつもり・・・だったのに
ててーん!!
「お・りぇ!さぁ・ん・じょ・うぅ!!」
どーん!!
「・・・?」
あれ?
カッコよく右手を突き上げて登場したつもりの俺。
目の前にはでっかい湖。
振り返れば鬱蒼とした森。
しーーーーん。
おかしいな。冒険者さんたちが居るとこに出るって聞いたんだけど?
誰もいない。
とりあえず湖で自分の現在の姿を確認して見ようかな?
テクテクと歩くと何か違和感。
手足が短い気がする。
水面に自分を映してみる。
「!!??」
な・なんでだー!!!
そこに見えるのは幼児。金髪碧眼の超可愛い色白のほっぺぷにぷに男の子。
何か望んでたのと違う。
俺はイケメンヒーロー的な冒険者になりたかったんだよ!
筋肉が程よくついてちょっとニヒルなたとえば赤い髪とかさ。何か強そうな主人公に憧れてたの!
これじゃショタのお姉さんが
「坊やアタシが守ってあげるぅ」的な違う物語になっちゃうだろがーい!!ワルクナイケド。
あまりのショックに水面近くでゴメン寝しちゃったよ。
少し遡って。
「ご・めーん♡間違えて死なせちゃったぁん☆ツバサくーん♡アタシったらどじっこでこまったちゃん☆許してぴょーーん!きゃっ☆」
バチコーンと濃ゆいまつ毛でウインクかます謎のうざいイキモノと不思議空間で出会った俺。
どうも仕事帰りに頭に衝撃を受けた気がするんだけどそれが死因らしい。
なんてこった!
別の人に当たる予定の落下物で軌道がズレたらしい。
35歳、万年平社員。
休みに声優アイドルのライブ行ったり特撮のヒーローショー観に行ったり。
たまに連れとキャンプやバーベキューって面白楽しいオタクで清く正しいチェリーな俺。
もうゴム人間の冒険譚やあれやこれの最終回見れないんだー!
「それでねぇん。今ってツバサくんの世界で異世界転生ってのが流行ってるんでしょう?お詫びに行ってみたいとこに転生させてあげるぅ☆」
いちいちシナを作るマッチョのオネェが何者か知らんが異世界転生は嬉しい。
「あ・アタシが気になる感じぃ?アタシは愛と調和の女神ミカエラよん♪」
クネクネと野太い声で紹介を受けた。
ちょっとぶっ飛ばしたい。いや、かなりボコりたい。
結局、体を作り替えてもらって。魔法のある世界で冒険者になれる10歳くらいから人生のリスタート。
初期ステータスを大盛りに盛って、鑑定とMAP。調薬。隠蔽。マジックバックもらって。中級冒険者レベルで転移。
女神(自称)がじゃ保護者になれる人の側に飛ばすから、行ってらっしゃぁーい♡って飛ばしてくれてからのコレ。
アイツ、いつか締めたる!!
そして今。
「いやぁあん!!!ごめんなさーいいい☆」
不思議空間に戻されてミカエラに抱きつかれたり土下座されたりでやかましい。
「ほんとにごめんなさぁい。年齢間違えちゃった~☆あと水面にB級モンスター出るとこだった~ぁんっ」
命の補償がなかった!
「あーあ、何してるのミカエラ。お前のどじに人巻き込むなってぇ」
なんか新しい人出てきた?
黒髪でちょっと斜に構えてるいい男。
「ぼくは雷と狩猟の神エンファス。こいつかけた迷惑分何かあげる。何がいいかな?」
「うーん。まだこの世界で何が使えるとかわからないから可能であれば、前の世界の食べ物が手に入るとかがいいです」
「ふむ。向こうと定期的に通路が必要ってことかライオウの担当だが頼んどくわ」
「あ、いろいろ食べ物詰めるなら温冷蔵機能のあるアイテムボックスもいるね」
エンファスさまが何か次々用意してくれる。
マジでイケメン!頼りになる。あのクネクネとは大違い。
「ん、こんな子供じゃ大変だから加護と雷獣付けとくか」
俺の頭をぐりぐり撫でて。
「せっかくだから人間に可愛がってもらえるように<ぼく>ってあざとく可愛さ出してったら?<俺>でも良いけどその顔で俺だとヤンチャさが足りない」
そんな感じでやってたらミカエラが
「アタシのツバサくんなのにーん」
って凹んで超うざい。
「ミカエラ、今度どじっこ発生したらお前のこと[青髭と喉仏のどじ男神]って改名してもらうから!」
「いやぁぁっっっ!!!」
うっせぇわ!!!
そんなわけで俺、再び地上にチャレンジ!!
「行ってきまーす」
ててーん!!
「・・・きゃっああ!可愛い!何でこんなとこに居るの?」
また予定よりズレてるっぽいぞ。
綺麗なお姉さんたちが沐浴してるとこでいきなり立ってたらもう痴漢・変態のレッテル貼られても致し方なし。
でも今の<ぼく>は見た目が天使な5歳!!
セーフ!!多分セーフ!!!
一緒に入りましょうーって丸裸にされてお姉さんのお膝に乗せられ、何故かお姉さんに俺の頭をおっぱい置きにされちゃった。
鼻血出ちゃってもいいよね!答えは聞いてない!!
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