第26話 戦力補強
「召喚にどのカードを使おうか。」
今、俺の保有するカードはBランクが海、炎、空、獣に地が2枚の計6枚、Cランクが海、地、邪、獣が3枚ずつ、空が2枚と炎、聖、氷が1枚ずつの計17枚。選択肢は広い。
「子作りで産まれる子供は親より1ランク以上ダウンするそうよ。タマゴを産む魔物なら2ランク、直接産む魔物なら1ランクダウンらしいわ。だから、Cランクの魔物が欲しいなら最低でもBランクが必要ってことね。」
すでにDランクの魔物は飽和状態、できればCランク以上の魔物が欲しい。まあ、育てればいいのだが手間はなるべく少ない方が良い。
「となるとBランク以上で確定だな。持ってるカードを合成すれば最大でAランクまでDP使えばSランクまで召喚できる算段はあるけどどうする?」
このダンジョンの特殊性を考えればそれだけのDPを集める手段はある。
「ヴァルとノルンがいるのにもう1人問題児が来る可能性なんて考えたくも無いわ。シトリーが来てくれたのがせめてもの救いだけどしばらくはメアの手助けをして欲しいししばらくSランクはいいわ。」
確かにルイスが抑えきれないほど問題児が増えるようなら放出も検討しなければならなかった。そういう意味ではドラフトで取れたのがメアとシトリーで良かった。となると召喚するのはAランク以下になる。
「うちのダンジョンならAランクの魔物を作るのは難しくないしわざわざAランクで召喚する必要も無いわね。召喚するのはBランクでいいんじゃないかしら。」
Aランクのカード合成するのに必要なBランクのカードは4枚、Cランクのカードで換算するなら12枚。さすがにそれではコストに見合わないか。Bランクならば即戦力でAランクも遠くない。ちょうどその辺が妥協点か。
「使うカードはどうする?」
「Bランクのカードでダブりがあって足場を作れそうな地のカードは使うとしてもう1枚はCランクのカードを合成してみるのはどうかしら?」
同じ属性のカードは合成できないので将来的にAランクのカードを作ることを視野に入れるのならばダブってるカードは候補になりやすい。そうでなくても足場を作るという意味で地というカードは目的にかなっている。そして、カードを合成した後の属性は合成に使ったカードの中からランダムに選ばれる。つまり、合成してみないとどの属性になるかわからないのだ。
「そうするか。」
これだけ戦力整ってきた現状で召喚するならばCランクよりも即戦力のBランク以上になることが想像できる。そうなるとどちらにせよ集めてきたCランクのカードはどこかで合成することになる。
「とりあえず3枚あるカードから合成していきたいわよね。」
ルイスが候補のカードを見ながら言う。
「ああ、だけど同じ属性のカードは召喚に使えないから地は除外。」
地の3枚目は別に欲しくないので今回は除外することにする。
「うちのバレットダイルと海のところのキャノンダイルって両方とも地と海のカードの組み合わせよね。」
「それとたぶん地のダンジョンの亀もだな。そうすると海のカードも足場を作る魔物になる可能性は低いか。」
海のカードも除外される。そして、3枚あるカードからは邪と獣がとりあえず合成されるカードとして決定。
「空も足場作るカードでは無いわよね。」
2枚あった空も今回は目的に合わないという理由で選択肢から除外された。
「となるとあとは1枚ずつの3枚だけどこの中で一番目的に合ってそうなのって氷だよね。」
俺の意見にルイスが同意したことで合成されるカードが邪、獣、氷に決まった。
「それじゃさっそく合成するか。」
俺は3枚のカードを選択して合成を開始する。
「結果は?」
ルイスが何になったか早く教えてくれと急かす。
「獣だな。Bのカードが1枚増えてる。」
「そう。それなら獣と地で決まりね。」
2枚ずつになった獣と地のカードで異論は無い。氷になったら少し考えたかもしれないがそれでもそのまま使っていただろう。
「それじゃ召喚するか。」
そのまま俺は召喚に移行することにした。
「これはブリザードウルフだよな?」
「そうね。」
地と獣を使って召喚されたのは氷属性を得意とするブリザードウルフだった。俺もルイスも少し驚いたが一応だが地と獣の属性も併せ持つ魔物だ。できる足場が土から氷に変わっただけで目的も達成できそうだ。
「合成に使った属性って関係するのかしらね。」
ある意味合成に使った全て持っている魔物に少し困惑する俺たち。
「まあそれは後々検証していこう。」
「そうね、まずはこの子ね。ブリザードウルフって進化するとフェンリルになるんだったわよね?それならさっさと進化させちゃうわよ。」
ルイスはそう言ってさっそく行動を開始する。ブリザードウルフに自分を倒すように指示してブリザードウルフはあっという間にフェンリルに進化した。そしてルイスは今度はアルティメットコピースライムのところに連れて行く。それから数日後、フェンリルに変身したアルティメットコピースライムは子供を授かったのだった。
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