第9話
ひろみさんと新郎さんの結婚披露宴が中止になった翌日以降、新郎さんの家で不幸ごとがつづいた。
新郎さんの父親が顧客からの預り金を使って不慣れな投資に手を出してとかしてしまった…
新郎さんの
他にも、新郎さんの家では不幸ごとがつづくようになった。
ひろみさんの家は、あの一件が原因で新郎さんの実家との関係が悪化した。
ひろみさんの両親は、ひろみさんに対してもう許さないと激怒していた。
あの一件が原因で、ひろみさんは両親や
さて、その頃であった。
ゆうとの家で非常事態が発生した。
発生した原因は、シングルのお姉さんがせっかくご両親がまとめた縁談を一方的な都合でお見合いを破棄したことであった。
ご両親は、どんな理由があろうともムコを迎え入れると言うてヤッキになった。
この時、ゆうとは家に居場所をなくした。
そんな中であった。
ゆうとは、バイト先のマクドの人から終身雇用で働ける職場が見つかったよと言われた。
ゆうとは、それはどこかと店の人にたずねた。
「終身雇用の職場…それはどこでしょうか?」
「どこって、自衛隊だよ。」
店の人の言葉に対して、ゆうとは『自衛隊。』と不満げな声で言うたあと、店の人に言うた。
「何で自衛隊に再就職するのですか!?終身雇用の職場と言うたら自衛隊しかないのですか!?」
「自衛隊に入ったら、お給料が2~3倍増えるのだよ…お金貯めることができるんだよ…資格が欲しいのだったら勉強させてもらえるんだよ…車も家もローンなしで買うことができるし、運転免許証も取らせてもらえるのだよ。」
「そうじゃなくて、ぼくの再就職先を決めた人は誰なのですか!?」
「ゆうとさんは今のままでいいのか!?昇給もない、終身雇用じゃない、安定した年金がもらえない職場で働き続けていたら困るから自衛隊に再就職したらと言うたんだよ!!」
「ぼくにはムジュンしているとしか思えません!!自衛隊に入隊する話はお断りいたします!!」
ゆうとが言うた言葉に対して、店の人はカチンと来た。
「断るだと!!ゆうとさんは私の
「フザケルな!!昇給もない、終身雇用じゃない会社にいることがかわいそうだと言うことがムジュンしているのだよ!!」
ゆうとが言うた言葉に対して、店の人はますますヤッキになった。
「ああ、なさけない!!それじゃあ、ゆうとさんは24年間育てて下さった
店の人は、プリプリと怒った表情でチュウボウに入った。
その次の日のことであった。
ところ変わって、円座町にあるゆうとの家にて…
前日、ゆうとがマクドの店の人から自衛隊に入隊の話を断ったことを聞いたお父さまは腹を立てていたので、昼ごはんを食べながら話し合いをすることになった。
ダイニングのテーブルの上には、カレーライスとグリーンサラダとらっきょうが置かれていた。
ゆうとのお父さまは、らっきょうを口に入れてもぐもぐと食べた後、あつかましい口調でゆうとに言うた。
「ゆうと!!」
「なんだよクソッタレ!!」
「お前はふざけとんか!!(マクドの)松木さんがすすめて下さった自衛隊に入隊する話をどうして断った!?…ゆうとが幸せになれるようにと思って、松木さんを通じて、
「フザケルなよ!!なにがわしの思いをふみにじる気なのかだ!!あんたはふたことめには終身雇用で昇給がどーのこーのと言いたいのだろ!!あんたはバイトで働いている人たちをボロクソにヒハンしているけど、そういうテメーこそなんや!!何もかもらくちんコネを利用した人生を過ごしたあんたはバカ以下だ!!」
「バカ以下とはなんだ!!」
「バカをバカと言うてどこが悪い!!フザケルなよ!!アネキのクソッタレムコばかりえこひいきしやがって!!あんたらを一生うらんでやる!!」
ゆうとの言葉を聞いたお父さまは、震える声で言うた。
「ゆうと!!とうさんに対して何だその言いぐさは!!24年間育てて下さった恩を忘れたと言うのか!?」
「ああ!!そうだよ!!」
「ゆうとが生まれてきた時、実の母親が16の小娘だった…実の母親が育てることができないから乳児院のスタッフさんが保護したあとこの家に養子に来たことをきれいに忘れたと言うのか!?」
「ふざけるなよ!!ほんとうにあんたらのことをうらみ通すからな!!覚悟しとけよ!!」
「ゆうと!!」
ゆうととお父さまのやり取りを聞いたお母さまは、シドロモドロになった。
お父さまと大ゲンカをしたゆうとは、後に家から飛び出した。
このあと、ゆうとのお母さまはシングルのお姉さんに過度に優しい声で言うた。
「
シングルのお姉さまは、両親に対して怒った声で言うた。
「あのね…アタシ…結婚をヤクソクしたカレがいるのよ…胎内に…カレの赤ちゃんもいるの…ムコを迎えるのだったらカレにしてよ!!…アタシ…トーダイ卒のクソッタレマザコン男とのお見合いは断るから…フン…」
シングルのお姉さんは、両親に突き放す言葉で言うたあと食卓から出ていった。
両親は、ものすごく悲しい表情を浮かべながら『うちの子たちが幸せになれる方法は、他にないのか…』とつぶやいた。
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