「お題」の魔力と、何かを始める「きっかけ」

 ちなみにこの『創作の記録帳』、一年前には既に書こうと思いたってはいました。


 それなのに……「果たして続けられるのか」「面白い文章書ける気がしない」「そもそも読まれる気がしない」「本音が満載な創作活動の記録を書いたことで、作者である『ほのなえ』が幻滅されて、ほのなえ作品に対しても悪い印象持たれたりして悪影響出るのが怖い」だとか、いろいろ考えていたら不安が拭いきれず、始める決意をするまでに一年もかかってしまいました。

 一年前の方が私自身カクヨムでの活動をしっかりしていて、興味を持って読みに来て下さる方も今よりは多そうだったのに……そもそも2023年分の記録はもう覚えてなくて出来なくなってしまったし……と、今となっては後悔しています。



 どうも私は行動力皆無というか、行動する前にまず立ち止まって考えるたちで、何かを始めるまでに人よりも時間がかかってしまうようです。


 今年の小説の「書き初め」についても同じで、年末〜お正月の忙しさから解放された後も、今度は「お正月休みだらだらモード」に突入し、全くやる気が起きていませんでした。書きたいものは山積みのはずなのに……なんでだ。


 そんな中、目にしたのは「短編賞創作フェス」のお知らせ。

 お題から短編を書くという、私にとっては「KAC方式」とも言えるイベント。あれだけハードスケジュールで毎年大変な思いをするKACがなんだかんだ好きな私は、ちょっと面白そう? と思わずワクワクします。

 とはいえいつかのカクヨムに戻るきっかけとなったあのKACのように、思い入れの強いイベントでもないし、やる気も出ない現状ではスルーかな……と思いつつお題を見てみると、「スタート」か……ふむふむ。

 別に思いつかないかな、と当初はやはりスルーしつつも、気づけば「スタート」の話を頭のどこかで考えてしまっている自分がいました。

 この「KAC脳」とも言うべきもの、何なんでしょうか。お題が出されると、ついついそのお題について一日中考えてしまう。その中で何かピンとくるものが閃いた時にはもう、一作書かずにはいられません。


 カクヨムコンに出す短編、全く書く気が起きていなかったのに、お題がぽんと出されただけでこうも書きたくなるなんて……。「お題」の魔力ってスゴい。



 そんな出来事の中で、自分はやはり、何か「きっかけ」がないと始められない人なんだなぁ、と実感しました。


 私は特にその傾向が強いですが……とはいえ誰しも、そんな部分があるのでは?


 そうして考えたのがお題「スタート」の『勇者スターターキット』でした↓

『勇者スターターキット』 https://kakuyomu.jp/works/16817330669798747861

(ちなみに主人公の名前「ハジメ」と町の名前「トータスの町」は、このお題を元に考えました)


※ここから先は、『勇者スターターキット』のネタバレを含む可能性があります↓


 『勇者スターターキット』は先程も出たキーワード「きっかけ」から考えついた、「きっかけがあれば何でもできる」がテーマのお話です。

 「何でも」というのは極論かもしれませんが。それでも、やってみないことにはそもそも始まらないし、きっかけがない時よりは、やる気が格段に上がりますよね。

 適切な例えかわかりませんが、例えば就活の時だって、会社を志望するきっかけが大してないよりも、何か強いきっかけがある方が合格の可能性も上がるし、やる気になるというものです。


 そして簡単に何かを始められるきっかけになるお役立ちアイテム……ということで「スターターキット」を思いつき、それについて書くことにしました。


 そもそも「スターターキット」をタイトルに入れたい! と何となく思ってしまったのが『勇者スターターキット』執筆に至った私の「きっかけ」かもしれません。


 初めは何らかのスターターキットを使って、心の奥にしまい込んでいた何らかの夢を叶えようと動き出す話、とぼんやり考えましたが、それだけではどうも平凡な話になりそう。

 次に「〇〇スターターキット」と響きでいろいろ考えたりする中で、何となく現実世界に無い職業の方が面白いのでは? と考えて、ありきたりですがわかりやすい「勇者」にしました。


 ちなみに勇者の話って実は、短編でいくつか書いてるのですが、勇者の物語を短編で使うとついつい旅の道中を省きがちですね……。冒険に出てから、いきなりラスボスの魔王の前まで話が飛んでしまいます(まあ今回は、新年の話ということで初夢と掛けているため、旅の内容全てを覚えていなくても問題ない、そんなストーリー展開にはしましたが)。

 道中を省くと作者はずいぶん楽できますが、読者は物足りなく感じないかな、というのは、勇者ものの短編を書いていて毎回少し心配するところでもあります。


 あと、今回のようにテーマがはっきりしている話、というのは書きやすいですね。私の作品、特に長編は基本自分の好きなものを登場させたくて書いているだけなので、テーマなんかは曖昧なまま書き始めることも多いのですが。

 一方ではっきりしたテーマがある故に、ちょっと教訓めいた感じになってないかな、というのは今回懸念したところでもあります。



 とまあ、途中少し話が逸れて『勇者スターターキット』の裏話になりましたが。


 とりあえず今回は、お題が「スタート」だというのも相まって、何かを始めるにはきっかけが大事だなあと実感したお話でした。



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