二頁目

 とりあえず正気に戻った頭で今の状況を考察する。


 あ、精神耐性が5になっとる。


 まあいい、とは言えだ。実は私もそんなに知ってる訳じゃない、精々この世界がとある有名恋愛RPGの世界で私はその木端悪役兼不憫枠の限りなくモブであるという事だ。


と言うのもぶっちゃけるとぼぉっかこのげーむやったことないじゃよね〜


 気分的には急に「(知らない異世界の)冒険の旅にでるのじゃ」って言われた気分である(絶望)


 抑論で言うなら動画でそこそこ(全ルートではない)見たことあるのと@wikiでちょっと見てただけである。


 あと一つ言いたいんだけどさぁ…他のゲーム世界転生者どうなってんだよ!


 可笑しいだろっ!なんでそんなゲームの情報全部覚えてんだよざっけんなよ攻略情報とチートあくしろよっ!


 はぁはぁ、ところでだ今急に私が冷静になったことに違和感を抱かなかっただろうか。まあもちろん理由はある、こちとら今流行りの転生してもすぐ納得する主人公ではないのだ。まあ少し余興だと思って世界観と共に聞いてけ。


 まず、私の名前が日本語なのはゲーム時代の設定ではあるが転生者が私以外に何人かいたからである。それも私のような一般人と違って物語の主人公のようなチートと性格のテンプレ野郎が。

 なので最近のファンタジーにありがちな中世程度の文明なのになぜか所々現代みたいな便利さがあるだとか全く同じ名前の料理などがあったりする。ついでにファンタジーあるあるネタの英語を筆頭とした外国語混じりのほぼ日本語は割と世界全土の共通語の一つである。まあゲームの知識どうりならだが。


 次に前世の「私」だが…まあ、うん、普通のぼっちで軽いコミュ障ぎみのオタクかと言われたらそこまででもないライト層の一般高校生である。

 性格は熱意もなくやる気もなくただ惰性で生きてそれを良しとする未来の社畜候補。

 誰か困っていたらまわりに誰もいなくて自分も用事がなくできる範囲なら助けるが、他に人がいたら誰かやるだろと野次馬で終わるそんな人間である。

 他には優柔不断な癖に変なとこで頑固で大雑把なのに妙に几帳面。

 他人への関心も薄いが自分への関心も薄く、なんで生きてるのかと聞かれたなら「特段行きたい理由もないけど死にたいわけでもないから」と言う現代の量産型歯車。


 前世はこれでいいだろ。

 そして今世の私だが中盤でインフレについていけずやられるサンドバックである。

いや、他に言いようがないんだよ。

 何と言うかどこまでありがちな主要キャラである幼馴染と姉とその他もろもろに嫉妬して〜の敵側に唆されて〜の一線超えて戻れなくなって、落ちるとこまで落ちてやられる。

まさに、テンプレは本当にあったんだ父さんは嘘つきじゃなかった。な、テンプレ三流悪役モブである。なお、作中上位に入る不憫枠扱いされているのはストーリー的な理由は置いといて、やらかした内容が他の敵と比べて本当にしょぼいのにメタ的な都合(姉や幼馴染などが他の主要キャラと繋がりを深めるため)だからである。

 別名 合婚をセッティングした人。

流石に酷すぎるだろ、一様こんなんでもそこそこの貴族(息子)だぞ。


で、最後に私が正気を保っている理由に戻るのだがまず当時の状況を説明しようと思う。


 当時のわてぃしは赤子の体になった事で体が碌に動かない事と貧弱な前世まえと比べても簡単に死ぬまだ首がすわってすらいない体に恐怖とストレスと不安を抱きながら体に引っ張られて泣いて寝て母乳を吸って発狂しそうになりながらいきていた。発狂しなかったのは二つの耐性スキルの御陰せいである。決して発狂した方がまだ楽だったとか思ってない。

兎にも角にも、今不安や恐怖に蝕まれてないのは呪詛と収集スキルが理由だ。


 其々のスキルの効果について説明すると

呪詛

負の感情と何らかの力エネルギーを混ぜ合わせ呪詛を作ることができる。

また、呪詛を操作することも可能。


収集

対象を問わず特殊な領域に収集することができる。

ただし、対象が意思を保有していないこと。

対象に何らかの縁を有する、または操作支配などしている必要がある。


直感と執念そして耐性系は割とそのままの効果だ。

何をしたかは薄々察してくれたと思う、察せれない奴はモテない(断言)

はっきりわかんだね。


まあ、つまりだ私の負の感情を呪詛に変え収集に隔離処理すことで隠したのである。

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