幕間4 犯人
第33話
鮫島吾郎を殺害した。
密室を作ることで探偵たちには大きなヒントを与えることにはなったが、あのまま鮫島を放置しておくわけにもいかなかった。
――ゲームの進行を妨げる者は生かしてはおけない。
それに真っ先に部屋に閉じ籠るような奴は、無残に殺されるのが嵐の山荘ミステリのお約束だ。
それにしても、鈴村眉美をゲームに参加させたのは失敗だったかもしれない。
あのちっぽけな探偵助手の存在を少々見くびり過ぎていた。
自信過剰な名探偵たちとは違い、眉美の行動は予測が出来ない。
まさか回答権をふいにしてまでプレイヤー全員にヒントを教えるとは。
全くの想定外だった。
最も警戒しなければならなかったのは不破創一でも城ケ崎九郎でもなく、鈴村眉美だったのだ。
だが、面白くなってきた。
現実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものである。
…………ふふ。
おっと、いけない。
こんな顔を誰かに見られたら、一発でアウトだ。
気を緩めるにはまだ早い。
油断は禁物と心得よう。
さて、いよいよ明日はゲーム最終日だ。
――三つの生首。
――雪上の足跡。
――そして、密室殺人。
残酷館の秘密を解く鍵は既に出揃っている。
名探偵諸君にこの問題を解くことが出来るかな?
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