第8話

彼は他の参加者の女性に対して苦手意識を持っていたため


会話をするのは専らリーダーをしていた私か

積極的に行動していた私の友人AとBの三人だけだった


苦手意識から企画会議や準備中のみならず

ライトアップの期間中の点検は

「会話が続かないから」という理由で私以外とは行かないほどだ


彼は大学で福祉系の勉強をしており、

会話をしていてもわかるくらい優しい人だった


点検が長引き少し帰る時間が遅くなった際には、

駅まで送ってくれた挙句、バスが来るまで一緒にいてくれた


企画が終わった後もなお連絡をくれたり、

遊びに誘ってくれることもあった

だが、今はSNSのみ繋がっているだけで、それ以上の進展はない


今となっては、

彼女の有無くらいは聞いておけばよかったと後悔している

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