第8話 それぞれの場所で

4月になり桜の花も咲き始めた頃、拓実と智花はそれぞれの場所での新生活がスタートしていた。


社会人1年目の拓実は、得意なパソコンのスキルを活かせる事務系の仕事に就職していた。


「青葉さん、明日の朝までにこれ終わらしといてくれる?」

「はい!分かりました!」


もちろん会社で一番新人の拓実はその分仕事もたくさん任されるが、だんだんと仕事が楽しくなり、毎日充実した生活を送っていた。




「それではテストを配りまーす」

一方、学校の先生になった智花も子供たちと毎日楽しく生活を送っているようだった。

「よーい!はじめ!」


「梶原先生!消しゴム落としました」

「はいどうぞ。永田くん、もう落とさないようにね」

「はーい」



そして、1日の仕事も終わり夜になると、2人は毎日のようにLINEで今日の出来事を報告し合っていた。


『今日もお疲れ様!』

『お疲れー!』

『俺は毎日のように仕事が山積みだけど、新人だから仕方ないのかなぁ。智花は?』

『今日は学校でテストをしたよ。テスト終わって採点してたんだけど、思ったよりみんなの点数がよくて私びっくりしちゃった』


「私びっくりしちゃった」だってー!なんてかわいい文面なんだ(笑)

たとえ距離が離れて会えなくても、拓実は毎日、智花に癒されていた。

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