伊400戦記、新大東亜戦争への道
@vizantin1453
第1話:C国との暗闘の開始
令和×年五月一日午前十時、首相官邸内総理執務室にて女性初総理大臣『笠間水江』は内閣情報調査室局長『村川順』からの報告を受けていた。
「昨日、大阪に根づく在KとCのスパイ組織の全員を逮捕しました。これで関西圏の売国奴達やスパイは全て摘発したという事です」
笠間総理は報告書を眺めながら村川の労を労うとその報告書を机の上に置き両手を組んで机の上に置きながら喋る。
「まだです、K国に関わる者達に関しては国会議員を始め全てを片付けましたがC国に関しては完全ではありません。R国もまだです、特にC国工作員等の暗躍には感心する場面もあります、勿論ハラワタが煮えくりかえりますが」
笠間総理の言葉に村川も頷き話をK国に変わる。
「しかし、あれから一年ですがK国は最早、立ち直ることが出来ませんね? このままいけば崩壊は間違いありません」
「自業自得です、米国も既に在K米軍を九割以上撤退させました。最早、北に吸収されようとC国に併合されようが構わないということです。しかし、良く分からないのですが日本の若い女性達は何故、今もK国に肩入れをしているのでしょうか? K国アイドルグループ? 今や我が国の女性以外誰も何処の国も相手しないのに?」
「さあ? 若い子の心理は分りませんが来月を以てK国と完全な国交断絶を実施します。米国を始めとする西側諸国も決定しています。それでも馬鹿な真似をする者は徹底的に取り締まるべきです、それが我が国の国民でも」
二人が他の話に切り替わろうとしている所に老齢で狸親父と言われている官房長官『佐部信三』が珍しく走りこんできて総理執務室に飛び込んでくる。
「総理、一大事が起こりました!!」
御年七五歳になるが足腰達者で見た感じも五十代と言う者である。
「いかがしましたか? 年寄りの冷や水と呼ばれますよ?」
笠間総理が笑みを浮かべて冗談を言うが佐部は真剣な顔で報告する。
「先程、台湾でクーデターが発生しました! 蒋総統は何とか無事に逃げることが出来ましたが行方がつかめないとの事です」
笠間総理はこの報告を受けると直ぐに各省の大臣及び自衛隊幕僚長を招集して対策会議を開く。
実に報告を受けて僅か三十分後であった。
総理の改革でいついかなる時でも緊急事態が発生すれば三十分以内に対策会議を開催するシステムを構築する。
それ故、各省大臣か副大臣、若しくは政務次官の三人の誰かは必ず東京都内にいることが義務づけられていた。
集まった会議場では色々な意見が出て正に百家争鳴の状態であった。
「防衛大臣に伺いますが自衛隊の動きについての対応を御願いします」
総理の言葉に防衛省大臣『直木阿弓』が立ちあがり淡々と指示した事を話すと総理は満足そうに頷く。
「第二護衛艦隊群を先島諸島に出撃させて三日後に到達という事ですね?」
直木大臣は深く頷く。
「予定を前倒しにして直ちにミサイル防衛部隊を先島諸島及び琉球諸島に配備させますがいつになりますか?」
この総理の質問に国交省大臣『岸上幸太郎』が立ちあがる。
「現地との交渉で来月初頭に決まっていましたが既に一週間後に配備する事を伝えて了承を取っています。事後報告になりましたが」
国交大臣の言葉に総理は流石ですと誉めると岸上大臣は恐縮ですと答える。
「野党の売国馬鹿達と保守党に巣食う馬鹿者達を粛清しましたが与党に反対する事だけが野党の仕事と思う愚か者がいるのは残念です。彼らのおかげで半年間無駄にしたのですから」
竹島奪還後、直ちに笠間総理は先島諸島、琉球諸島、西南諸島に日本が開発した超距離ミサイル部隊を配置しようとしたが野党と言う存在は与党の仕事を悉く否定するのが仕事と思う議員達に反対されて予定が大幅に遅れたのである。
会議は淡々と進み対策として三日後に第二護衛艦隊群が石垣島に到達する予定を始めとしてミサイル部隊を満載した輸送艦“おおすみ”“しもきた”“きたかみ”の三隻が横須賀港を出港した事を決定事項とする。
「それと……蒋総統閣下を何としてでも保護しなければなりません! 恐らく首謀者は親C国で台湾と本土を合併させることに間違いないと思います」
総理の言葉に全員が頷く。
それから総理は三軍統合幕僚長『山縣権兵衛』に例のシステムの配置状況を尋ねると山縣は立ち上がり信じられない様子で答える。
「例の潜水艦艦長から頂いた探知ステムですがとんでもない化け物です、間違っても他の国に漏れるような事がないようにしないといけません! 例え同盟国の米国でも」
山縣の言葉に深く頷く総理は再び情報を収集させるように命令した時に再び官房長官がやってきたが今度は落ち着いて入室してくる。
「佐部長官、何か進展があった表情をしていますが?」
「ははは、流石は総理ですね! 吉報です、蒋総統閣下を米軍が保護したとの事で彼女は日本に行きたいとの事で後四時間後に横田基地に到着します」
この報告に総理は笑みを浮かべて安堵して直ちに受け入れを了承すると共に身辺を厳戒警護実施の為、警察庁警備局長『浅見光圀』を至急に官邸に来るように秘書官に命令する。
だが、この時既にC国の魔の手が先島諸島に到達していたのであった。
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