自己肯定感低め女子とラナンキュラスな王子様

向日ぽど

Prologue



 ──あなたが微笑むと世界が輝く。


 どれだけ私がワガママを言ったって、笑ってできる限り叶えようとしてくれる。


 たくさん甘やかしてくれる。


 とてもとても優しい彼。




 ──だけど、彼は私のことが好きじゃない。



 初めて会ったその時から私は、いつだって彼に片思い。




 ──ねえ、遊?


 あなたは確かになんの不満もない理想の彼氏だけど。



“私のことを好きでいてくれる”


 それがどれだけ大きな意味を持つか、わかる?




 非の打ち所のない、完璧な彼氏だけど。



 ……優しいだけじゃ、ダメなんだよ。







 ―ラナンキュラスの花言葉を君に贈ろう―


「I am dazzled by your charms」

(あなたの魅力に目を奪われる)

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