異世界に行ったら妹ができた

アカバコウヨウ

プロローグ

ニートはクソだ、人間の最底辺だ。

そう教え込まれ、実際にそう信じていたのに、気がついてみれば自分がニートになっていた。


否、ニートになってしまった。

少なくとも俺は最初からニートだったわけではない。無論誰もがそうであろうが、俺の場合は少し事情が異なるのだ。


俺は誰もが知っている一流幼稚園に入り、高校へとエスカレーター進学するまで常に学年一位を取り続けてきた。


数多の栄えある賞を受賞し、一生を遊んで暮らせるような金も手に入れた。


そして俺はイケメンとまではいかないまでも、それなりの顔も持っている。


なのに全て消え失せた。生まれ持った身体と顔を除いて消え失せた。

いや、それも正確に言うのなら違う。


正確に言うのならこうだ。

全て置き去りにさせられた。

今でも忘れない。


あいつが俺に対して言い放った最初の一言を。


そう、彼女はこう言ったのだ。


「初めまして、お兄ちゃん! そしてようこそ、新しい世界へ!」

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