第81話 ひとり立ち飲み

花金とかはもう昔、昔のこと。


金曜日の仕事終わりにひとりで、立ち飲み屋きにふらり。


うーん、旨し。

しょーもないアテでもええねん。


ほろ酔いやん。


あれま、金髪の女の子が路上ライブしてる。

ええ声やなぁ。

立ち止まって、リクエストする代わりに

お金を入れる。


HY 366日


金髪の子は歌ってくれた。

高音も良く出てた。

満足なり。


千鳥足で地下鉄に乗ろうとしたら、人が何人か

いてはる。

ここは、その時々のお店が出るねん。


見たら、バームクーヘンだったんよ。

なーんや、バームクーヘンか、、。

と思ってんな。

そしたら、中年の男性が試食をなーんも

言わんとぶいっと差し出したん。


あれ?

無粋な接客や、、。

食べたら美味しかった。


ふと、見たら補聴器が見えた。

他の担任さんも誰も話して無いねん。


同情じゃないねん。

バームクーヘン美味しかったしな、店員さんの

笑顔が夜やのにな、昼間みたいに明るかったんよ。


手話でありがとうくらいはできますがな。

そしたら、女性の店員さん、くしゃくしゃの笑顔やった。


あー、今夜はええこんころもちや。





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