第79話 エロ映画館

昔の話なんですよ。

看護師の一歳年上の友達と何故か京都に行き、

その後に横浜へ行こうと。

行き当たりばったりです。


変な乗り継ぎで、電車がなくって。

朝まで時間を潰さなきゃ。


今と違って24時間のカラオケとか漫画喫茶とかも無い。

さびれた駅前の道を歩いてたら、

朝までやってる店がありました。


「もう、ここでいいじゃん、おしたしちゃん。」


私は、さすがにやだなぁ、、。

と思いつつ、ホテルっても、連れ込み宿みたいなところしかないし。

ここはのりちゃんに着いてくしかしありません。


切符もぎりのおばちゃんにジロジロ見られながら入りました。


真っ暗な中で、スクリーンの明るさで

まばらな人達を避けて、座席に座る。


疲れもあって、ふたりとも直ぐにうとうと。

するとですよ、

「おーぅ、ええ、オッパイしてんなー!」

「ほんまや、もっともんだらんかーい!」

「ええ、鳴き声やなぁ、たまらん!」

と言う合いの手があちこちから聞こえるんですよ。


「ねぇ、起きてよ、のりちゃん!!

おっちゃんら、変な事言うてるで!」


「ううん?

そら、あげなもん観てたら仕方なかとよ。

ほっといたらよろしいやん。

起こさんといてーー。」


肝座ってんなー。

この人、元々は九州の人です。

京都にいて名古屋に来たので、言葉がめちゃくちゃです。


私は関西から名古屋に戻ったばかりだったので、

恐怖のあまり関西弁がでました。


結局はふたりで爆睡。

朝まで寝てました。



若かったから出来たのでしょう。

まあ、無事でなによりでした。


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