第32話 101回目のプロポーズ

思い出の人と言うのは厄介でもある。


亡くなった妻、夫、恋人というものは

仲が良かったりしての失いは

そのあとも引きずるのは突然なんだろう。


例えば、101回目のプロポーズで

浅野温子が亡くなった彼氏そっくりの

男性と出会ってしまう。


当然、夢中になるわけで。


やがて、いろんなことろで、

彼とは違う、彼ならこんな事は言わないなどと

違和感を感じてしまう。

ほんの小さな違和感なんだから

無視してしまえばいいのだが、、、。


結局は武田鉄矢の何もかも失ってしまった男性のところへ行く。


ドラマと言えばそうなのだが、

真実なんではないかと思うのだ。


人は亡くなると思い出のすり替えをするように思う。

特に好きだった人の場合。

本当はそんなにいい人じゃなかったかもしれないし、ずっーと続いていたかどうかもわからない。


記憶は時と共に、薄れていく部分も出てきてしまい、そこを何とか埋めようとしてしまい

綺麗な思い出がどんどんと作られてしまう。


昔の人は 

どんな悪人でも死んだら仏さんになる

と言ったけれど、そのとおりかもしれない。


なんで武田鉄矢なんだろうって思うよ。

もう少し、マシな人にしてもらえないだろうかと思う。


でもね、もしかしたら思い出の人とは

全く似てない、そんな人の方が、

浅野温子がこれから先に現実世界で

生きていくのには必要な存在だったのかもしれないなぁ。


なーんにもないけど、

ただ、好きでいてくれる。

昔の彼をすっぱりと出来なくても

それでも、好きでいてくれる。

落ち込んで沈んでるときも、好きで

いてくれる。


結局、人間は人間でしか救われないんだよね。

しかも生きてる人間。


それは、生きてる人間は面倒くさいこともあるよ。

それもね、生きてる以上はあって当たり前。


せっかくの人生だから、別人くらいの

人と

あー、全然違うぞー。

やんなっちゃうなぁー。

と嘆くのも楽しめばいいのかもしれない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る