神様の本音

銀髪ウルフ  

神々の本音 軽率な神


ここは神域。

地球を代表する神たちが集う場所でもある。

基本的に神は自由であり、場所に縛られることはない。

だが、地球が誕生し、何十億年もたった今、神たちは永遠の命を持て余していた。

信仰の薄れた現代では神の存在価値などただそこに在るだけである。

人の子を導く事もなければ何かを与えるようなこともない。

そうなってしまえばやることなどただ一つ。


地上の娯楽を神域から眺めて楽しむこと。


そのために神域には地上を見物するための席が設けられている。

見物席は常に満員状態で空きが出ることは稀である。

地上に直接干渉することのできない神たちはここから地上を見守ることしかできず、地上に属するものは神域に持ち込めない為、必然的に神は見物席に集まる。

故に見物せ液は常に満員御礼なのだ。


そんな中満員御礼の中、神たちに向かって声を挙げる1柱の神が居た。


神0:「見物席にいる神様の皆さんちょっといいっすかー?はい、しゅーごー。」


神の中でも比較的若い男神はそう声をかけた。

彼は今期の神域の代表でもある。

任期は数百年で若かった彼は押し付けられる形でこの役職に就いた。


神1:「今サッカーの試合がいいとこだからあとでな。」

神2:「あっ、今あの子イカサマしたよ。ベガスの本職相手にやるなんていい度胸し

    てるねぇ。」

神3:「おぉ、お主たちそんなに奉納してくれるのか。ありがたいのぅ。」

神4:「あら、あの子、、、。初恋かしら?戸惑っちゃって可愛いわね」


故に彼の権力などないに等しい。

つまりは誰も聞いてなどいない、、、、。



神0:「俺、泣いちゃうよ、、、、。聞いてってば!大事な話なんだからさぁ!」


だが代表になって50年。

今までひどい扱いを受けてきた彼はへこたれない。

相手が超大物の神だろうと怖気つかない。


Q;腰が引けていませんか?

A;これは持病の痔だい!


Q:神は不変不滅で病気などにはならないのでは?

A:う、うるさい。神だって痔になるって言ったらなるんだい!


Q:でも他の神はなってませんよね?

A:あの人たちはやせ我慢してるだけだって。神の威厳?みたいなの気にしてるみた

  いだしさ。ほんとくだらないことにこだわるよねー。あっ、それとも単に老いす

  ぎて感覚鈍くなってるだけかもね。


Q:彼らはあなたにとって偉大な先輩神ではないのですか?

A:偉大だって?あんな地上のおじいちゃんと変わらないような神たちが偉大なわけ

  ないじゃん。人の子もなんであんな神たち崇めてるんだろうねー。俺の方が絶対

  いい神だよ。なんたってイケメンだし?


Q:自分で言う事ですか?

A:えっ、だって事実だし。いやー、ほんと将来あんなふうにはなりたくないね。


彼がいつまでたっても権力を持てない理由がコレだ。

とにかく軽率で神にふさわしいくない品格、この一言に限る。

現に、今この瞬間にも後ろから怒り心頭で近づいてくる老神に気が付かないのであった、、、、。








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