僕が出会った忘れられない君

輝~teru~

第一章 第1話

 僕は、今でも初恋のアイツの事が忘れられないでいる。

 今までに好きになった人は何人もいるし、実際に付き合った相手も何人もいる。

 でも・・・ 何故だろうか、誰を好きになっても誰と付き合っていても、ふとした瞬間にアイツの事を思い出し恋しくてたまらなくなる。


 13歳の僕、いずみ 宇宙そらの幼く淡い恋。

 それまでの自分に対しての違和感が何なのかが分かり、アイツとの出会いがこんなにも僕の心に残るものになるなんて思いもしていなかった。

 初めはただの友達として仲良くなっただけだったのに、何時しか僕はアイツを好きになっていた。


 友達に紹介され知り合ったのだが、友達から聞いていたイメージがあり、最初こそは「聞いていた通りの子だな」と思っていたが仲良くなるにつれて...

「あれ・・・ 聞いてた感じとは違って、可愛いやん」

 と思い出し、一緒にいる時間が長くなればなる程好きになっていくのが分かった。

 幼い頃から、同性に心惹かれる自分がいる事に違和感を感じ、戸惑いさえ感じていたが・・・

 中学生になり【誰かを好きになる気持ち】といった感情を知ったからこそ戸惑いも生じたのだろう。

 小学生の頃は「○○君が好き、○○ちゃんが好き」と言っても、同性も異性もみんな友達、友達だから好きなんだったんだと分かった。

 それは、恋愛感情ではなく友情としての好きであって特別な感情ではなかった。

 今の僕だからハッキリと言える「13歳の時に出会ったアイツは初恋の相手だ」と。


 その頃の僕は知識がなく【同性愛・ゲイ】と言った言葉や軽い知識は知っていたが、ほとんど何も分かっていない状態だった。

 自分は、男の子が好きでアイツの事が好きなんだという事実を認識していただけだった。

 当然、健康な思春期男子・・・ アイツと付き合いたい・キスしたい・・・ それ以上の事も・・・。

 だけど正直、男同士のSEXと言うものはどうすればいいのかとか・・・ そう言った知識は全く無かった。

 全てを知るのは、17歳になって業界(ゲイの世界の総称)に足を踏み入れる事になってからだ。



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