第14話

ふらふらでちゃんと歩けないから、旭川さんがうちまで送ってくれた。俺はそんなに背が高くないから、旭川さんにしがみ付いてる感じ?


「美月くん、雪さんといて楽しい?」


「楽しい!ご飯もなまらうまい!」


「え?なまら?」


「もうねぇ、雪のこと好きすぎて、死んじゃう。あー死にたくねー」


「まぁ、落ち着いて」


「旭川さーん、俺〜雪とお揃いコーデしようかな?うまくいくかなぁ〜どうかな」


「い、いいんじゃない?」


うーん、あんまり反応よくなーい。


「あ、家ここでーす。雪〜開けてぇ」


ドアをバンバン叩いてみた。もちろん雪はすぐ出てきてくれた。


「雄輔…?と、旭川さん?」


「飲み会で酔い潰れちゃってふらふらで。連れてきた」


「迷惑かけてすみません。ありがとうございました。雄輔、ほら着いたよ?」


雪だ。とことこ歩いて抱きつく。


「んー、雪だー」


「旭川さん、帰り道わかります?」


「はい…ではまた明日」


旭川さんはさっさと出て行ったから、すーぐドアが閉まった。


「誰よ飲みすぎてんの」


「なんかー高級レストランでねーワインなまらうまくて」


雪にしがみ付きながら、部屋まで歩かされた。


「ふーん、家以外で飲むのはあんただめそうね。ほら、ベッドついたよ。もう寝なさい…ちょっと」


ついでに雪も寝かせちゃう。


「雪〜みんなにね、雪の話したよ?雪は〜すごい優しいよって」


「なにそれ?なんで私?酔っ払ってなんもわかんなくなってるじゃん」

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