【異説】ファースト・エンペラー
紫陽_凛
秦王政と呂不韋
公子異人と商人の息子
おれの親父の
あいつは親父の顔、すがたかたちを見て、それが秦国公子だと知って、こう言ったそうだ。
「これ奇貨なり。居くべし」
つまりこういうこと。――これは思いがけない品だ。仕入れておくべきだ。
商人の家系ってのは、みんな「あんな」なんだろうか。呂不韋は父親と話し合い、秦の公子たる異人に「投資」することを決めたのさ。
あいつにとって親父は金の生る木にでも見えていたんじゃないかな。少なくとも俺はそう思ってるよ。
呂不韋はまず(おれの)
異人はこれを聞き、呂不韋を自分の後見人にした。華陽夫人が
え?急に名前を改めるな?ややこしい?そんなこと言われても。おれたちの生きた時代には普通のことだったんだよ。
ともかくだ、呂不韋は親父の後見人。そして俺の親父、異人あらため子楚は呂不韋の「金の生る木」だったわけだが……。親父の受けた恩を、別にその子供のおれが返す道理も義理もないわけだよ。おれは呂不韋に甘い汁だけを吸わせるつもりは毛頭なかったさ。
おれは生涯、あいつを許さないよ。
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