日常
伊富魚
第1話
洛内を生きる僕らの日常は
行き交う靴を避けながら
今日も今日とて日銭を稼ぎ
疲れた時は日陰で休む
そんな僕らの日常で
傲岸不遜なあいつらよ
脂汗滲むあの人や
前髪ばっかり気にするあの子
交差点の信号を待つ
足が止まらないあの人も
下を向いて
耳には蓋をしているみたい
たまにチラリと目が合うのが
僕には少しくすぐったい
あ、信号が変わった
僕のよく行く四条河原町の交差点
ここ最近またあいつらの闊歩が増えてきた
ここ数年は随分減ったと思ってたのに
また僕らは脇の通りへ行かねばならぬ
おっと、僕も早く道を渡ろう
僕は足早に交差点を渡る
「ドンッッ、、、」
一瞬の沈黙
人間は一瞥し、世界から音が消える
「ザワザワザワザワ、、、、」
人間はいつもの日常へ
もう誰も何も見ちゃいなかった
日常 伊富魚 @itohajime
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます