59歳で初めてデキた俺と彼女!

神石水亞宮類

第1話 59歳で初めてデキた俺と彼女!




俺は59歳、童貞です!

いや? 風俗店の女の子とは数えられないぐらいしたと思う。

でも“彼女と呼べる女性とは”一度もした事はない!



・・・勿論! 彼女が居なかった訳じゃない!

一応、こんな俺でもモテるにはモテたんだ。

ただ付き合った彼女に指一本触れる事なく別れていただけ。


“キスをするどころか手も繋げないで終わる俺の恋。”



【なんなんだよ! 俺は君に触れずにフラれるのかよ!】




・・・だからといって!

俺は59歳まで大事に大事に童貞を貫いてきた訳じゃない!

早く終わらせるつもりだった俺の童貞!

俺が中一の時、隣に住んでいたお姉さんが俺を部屋に呼んだ。

あの時、捨てておけばよかったものの俺は怖くて逃げて帰ってしまった。

初めてのことだし、俺の知ってるお姉さんとあの時のお姉さんは違っていた。

妖艶で色気が駄々洩れ、髪が乱れて肌が多く見える露出の多い服を部屋着を

着ていた。

お姉さんは俺にこう言って近づいて来たんだ。



『白ちゃん! お姉さんの方へおいで!』

『えぇ!?』

『そんなに隅っこに居たら? お姉さん、白ちゃんの顔が見えないわ!』

『・・・で、でも、お姉さん、』

『なーに? こっちにおいで!』

『・・・あぁ、ううん、』



俺はかなり緊張しながらお姉さんの方へ近づいていくと、、、?

お姉さんが俺の顔の前に胸を突き出してきた。


『さあさあ、私の胸に顔をうずめていいんだよ。』

『お、お姉さん、』

『さあさあ、気持ちいいでしょ!』

『・・・あぁ、ううん、』




俺はここで限界を迎える。

鼻血が両方から出て、体が強張るように固まった。

俺はもう無理だと思い、そのまま自分の家に逃げるように帰った。

勿論! その事は家族にも今も話してはいない!

お姉さんも次の日、何事もなかったように今まで通りのお姉さんに

なっていた。

あの時の事は、“二人だけの秘密”として今も俺はお姉さんとの約束

は破っていない。




・・・その後は、あの時の事が抜けないのか? 

俺はちゃんと恋愛が出来なくなった。

俺よりも10以上も上のお姉さんにあんな風に誘惑されたら、、、?

彼女になる女性に何も出来なくなったのだ!



『白君、今度! ウチに来ない?』

『えぇ!?』

『私以外の家族は、皆旅行に行くの! 家に居るのは私だけなんだ!』

『・・・あぁ、考えておくよ。』

『なんでよ! 考えなくてもこの日しかチャンスはないのよ!』

『で、でもさ、そんないきなり、』

『じゃあ、もういい!』

『・・・・・・』









そして俺は現在59歳になった。

俺は飲み屋でお姉さんを好きになって、お酒を飲みながら口説いていたら?

まさか!? “俺と彼女が付き合える事になった。”

俺は59歳で、彼女はホステス。

俺の金が目当てなのか? それでも俺はいいと思ったんだ。

俺より30歳も年下の女の子と付き合えるなら? 

金目当てだろうがなんだろうが俺は彼女と付き合いたい!



『なんで俺と付き合おうと思ったの?』

『・・・うーん? やっぱり性格かな?』

『お金じゃないんだ?』

『“本音を言えばはじめはそうだった、でも今は性格が好きよ。”』

『俺とこの先も付き合ってくれるの?』

『しろちゃんが良ければね!』

『俺は勿論いいよ!』



・・・そして59歳で初めてデキた俺と彼女。

“俺の初めての彼女。”

少しバタついたが、なんとかデキた初めての彼女なんだ!

俺は59歳にして、【童貞】を捨てた。

やっぱり若い女の子はいいよな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

59歳で初めてデキた俺と彼女! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ