『今日から悪魔の契約者!』(3)
コランは真菜の部屋に入ると、床の隅に詰んである教科書に手を伸ばした。
その一番上に置かれていた『黒い本』を手に取る。
「やっぱり、ここにあった」
「コランくん、この本の事知ってるの?」
コランはニッコリと笑って真菜の方を向くと、堂々としたポーズで黒い本を見せつける。
「この本は『最強の人間』の元へと導かれるんだ」
「え!?」
「真菜が『最強の人間』だという証だ!!」
「ええー!?」
真菜にとっては、何もかもが一方的な決めつけだ。
最強と言われるほどの力や能力を持っている訳でもない。
「それって何度も言われたけど、何を基準に?私、普通の女子だけど!?」
「『生命力』だ。真菜は人間界で一番、生命力が強いって証拠だ」
生命力……?そんなもの計れないし自覚もないし、ピンとこない。
真菜が戸惑っていると、コランがさらに勝手に語り始めた。
「悪魔は、人間界で活動する時には生命力を消費するんだ」
そ、そうなんだ、それで……?
「だから悪魔は人間と『契約』して、その人間の生命力を吸収しながら活動するんだ」
な、なんだかこの悪魔、恐ろしい事を言い始めてない……?
「真菜の『最強の』生命力が欲しい」
なんだか、だんだんと彼の笑顔が『悪魔の微笑み』に見えてきた……
「オレと契約してくれ、真菜」
それって完全に自己都合じゃない!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます