温もり

電車が来るまで数時間。ほとんど廃墟と化した駅構内を歩きながら、まだ手に残る温もりを確かめるように拳を握った。人に手を握られるのは初めてだった。その温もりが消えてしまうまで、白い息を吐きながら手の皺を見つめた。いつの間にか寝過ごしてしまい、電車に轢かれ損ねた。今日はやめようと思った

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