まきし騒動

Kohr.435円

カッポレ高校編

1話 1ヶ月後の準備

我々は、来月からアメリカ・ニューメキシコ州に漂う。


そう、自分の家のリビングで50代手前のスーツをキメた男性が言った。それに息子のシーミアが答える。


あのさ、頭大丈夫?漂うってなんだよ? 仕事で移住するだけだろ。かっこよく言っても無駄。てか、ニューメキシコ州のどこなの?先月答えなかったね。


今日は家族会議の日。


それは…… 。


どうせ、忘れたのか聞き忘れたのかどっちかでしょ。本当に火山しか興味ないんだから。


う、うるさいな! 火山は関係ない!し、し、知ってるもーん!!


うざいな、そのしゃべりかた。


ちょっとぉ! お父さんに失礼じゃない!?


いつもの事じゃん。それで?


今回は言える! 忘れてなぞないぞ! フハハハハッ! サウスバレーだ!


忘れたって言っちゃってるし。誤爆したな。サウスバレーか。どこそれ?


知らないのかい!


と、シーミアとルトラは話し合う。


やめやめ! そんなコメディアンごっこはおしまい!


と、母のレノが冷静に言う。レノはその場を立ち上がり、冷蔵庫を開けて飲み物をとる。


コメディアンごっこって…… 。


まあ我々はアメリカに行く。ニューメキシコ州だからスペイン語は通じるし、サンフェルナンドよりいいモノ売ってる。楽しみにしよう。


そうルトラは言う。


ルトラは学者をしている。10年前までは火山学者をしていたが、いまは岩石学者、火山灰編年学者として活躍している。トリニダード・トバゴのローミッシェルマッド火山を研究し、有名に。今回は、ニューメキシコ州のサンディア大学からスカウトがあり、移住することにした。アメリカやメキシコ、ドミニカ共和国の火山を研究して欲しいのと、サンディア大学での火山学教授として、教鞭を振る舞って欲しいとの事だ。

これはチャンスだ。学者人生誰もが羨む道だ。


ところで私、そのサンディア大学に進学するから。


と、タミアが伝える。するとルトラが答える。


なんで? 私と同じ道に行くのか?


は? 違うわよ! スポーツがそこそこ強くて、パパと一緒の大学なら少し楽できるから!


なるほど、賢い。


その辺にして、そろそろ準備しましょ。あと1ヶ月しかない。居るものは?


と、レノが言う。


ぼくは、枕を新しくする!


枕だって!? シーミアはマルコム・グラッドウェルにでもなるつもりかしら?


レノはシーミアにツッコむ。


マ、マルコム・グラッドウェル?


シーミアは不思議そうななんとも言えない顔をする。


知らないのか? 睡眠研究してたジャーナリスト。


知ってるよ。逆に眠らなくても大丈夫だね!アル・ハーピンみたいな。


それは無理ね、何十年も寝ずに入れるのはアル・ハーピンだけだ。


と、ルトラが言う。


あら! なら、枕は要らないわね!


わかった! ごめんよ、枕に抱きついて寝るのが好きなんなんだ! じゃないと寝れない。


ほら。


ほらじゃない。準備してくる。


ついでに、捨てるものと捨てないもの分けなさい!


わかったよ!


シーミアは自分の部屋で捨てるものと捨てないものを分ける事にした。

階段を上がり、木製なのでダンダンッと木製らしい足音と共に、部屋に向かった。

その後、1時間部屋から出なかった。不審におもったレノは部屋に行く。


ねえ、まだやってるの?


と、ノックした後すぐに扉をあける。


んー どれもいるやつばかりだ。


まった! そのグローブとかいるの?


え? このボクシンググローブ? いるよ? だってお父さんとの思い出じゃないか。よくその辺でボクシングしてた。


いまやるの?


やらない。


なら、いらないわね。


ちょっとまってよ! いるってば!


こんなのが? じゃあこれは?


レノは野球のボールを手にする。


いるいる! だって思い出じゃないか。


いらないでしょ、あなた野球しないし、キャッチボールしてるところも見たことない。


まあ、たしかに…… 。


わかった、ではこうしよう。マンケンシュマットの方法。彼は服1枚だけ残して他は全て捨てて、燃やした。まあ実際1枚だけは流石に困るから、服と教科書とあなたの好きなこのネッシーの枕は残してあける。


ひでぇな。けど、かえっていいかも。


すると、レノは服と教科書、ネッシーの枕を残し、他は外で燃やした。すぐに燃えた。UFO雑誌なんてスグだ。


これで、いいわね。


レノは言う。姉のタミアはそもそも物が少ない。卓球道具ぐらいだ。あとスポーツ雑誌。タミアはスポーツ雑誌1冊残して他の雑誌は捨てた。他に捨てる物が無かった。


こうして、アメリカに行く準備を進めた。1ヶ月後には非日常の始まりだ。


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