第2話 ありがとう
ぼくは生きてて良いのかな。
他の人の良いところは簡単に見つかるのに
ぼくは良いところなんてひとつもない。
ぼくは勉強できないし 足も早くない。
サッカーは上手くないし 男らしくない。
優しい心も、持っていない。
ぼくの存在意義は何?
生きててなにか、意味はある?
たくさんたくさん考えて。
それでもぼくは、わからない。
ぼくってなんだろう。人ってなんだろう。
ぼくは自分のことがわからない。
ぼくの気持ちがわからない。
本当のぼくってなんだろう。
自殺なんてできるわけない。
優しくしてくれた人、たくさんいる。
その人のこと思い出すと 死ねない。
まだ、ありがとうも言ってない。
たくさん たくさん 愛してくれた
頑張って 頑張って 産んでくれた
だから、ぼくは死ねない。
ぼくは臆病だ。
痛いのキライ。苦しいのキライ。怖いのキライ。
だから死ねない。
それでもぼくは、考える。
ぼくは生きてていいのかな。
死んだほうが、いいのかな。
ぼくらはきっと、誰かに愛されてる。
優しくしてくれる人だけじゃない。
陰で見守ってくれてる人もいる。
ぼくはその人たちに「ありがとう」と言ってない。
言葉だけじゃ、ダメなんだ。
生き抜かなければ、いけないんだ。
苦しくても 怖くても 難しくても。
今まで人は、闘ってきた。
乗り越えてきた。努力してきた。
だから今がある。ぼくがいる。
どんなに困難なことでも、ぼくは生きて、そして立ち向かって、乗り越えて。
そうやって、生き抜いていくんだ。
生きることから。
立ち向かうことから。
ぼくは絶対、逃げない。
ぼくにとってそれは、
こんなぼく、しょうもないぼくを愛してくれる人への
精一杯の
「ありがとう」
なんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます