第百六十話 吹っ飛ばす、中に入れる!?

「よし! 次は接近戦だ!」


「あぁ!」


 気を取り直して、俺はケースから剣スキルの鍵を取り出した。

 対するシェダルは鎚スキルの鍵を取り出した。


『剣スキル!』


『鎚スキル!』


「「スキルチェンジ!」」


『スキル解放! 切り裂きすぎる! 剣スキル!』


『スキル解放! 潰しすぎる! 鎚スキル!』


 鍵を回し、俺たちは各々のスキルに変わった。

 ……シェダルの鎚スキルは、へそを出した半袖に短パン、持っている鎚は銀色と、俺の鎚スキルとは対照的な姿になっていた。


「さ、行くぞ!」


「おう!」


 俺たちは武器を構え、奴に向かって突撃した。

 奴は水浸しになりながらも、俺たちに向けて威嚇をしてくる。


「迎えに……行かなきゃ……邪魔をするな……」


 ヒューモンスターがそんなことを口にしている。

 ……迎え? 何言ってるんだ? まぁいい、倒した後にじっくり聞こう。

 俺は剣を振り下ろし、奴に攻撃を仕掛ける

 奴は腕で俺の切り裂き攻撃を抑えるも、俺はそんなことをものともせずに斬撃を繰り返した。

 よし! これならシェダルの出る隙は……。


「昇! 避けろ!」


「え!?」


 シェダルの大声を聞き、俺は咄嗟に後ろへ下がった。

 すると奴は腕から毒針を出していて、こちらに向かって刺そうとしていたのだった。

 ……あぶねぇ、シェダルが言ってくれなかったら今頃どうなっていたか。

 やっぱり俺って駄目だな……。


「おい昇!」


「え!?」


 気が付くと、奴は俺に向かって走ってきていた。

 まずい!


「とりゃあああああ!」


 シェダルが鎚で奴を吹っ飛ばした。

 奴は基地の中に放り出された。


「おいおい! 中に入れたらまずいんじゃ……」


「今はお前を守ることが先決だと考えたんだ! 奴は今怯んでいる! この隙に攻撃しろ!」


「お、おう!」


 俺が基地の中に入ろうとした、その時。


「お待たせ!」


「ごめん! 遅れちゃった!」


「翔琉! 悠里!」


 レッドセイヴァーに変身した翔琉とグリーンアーチャーに変身した悠里が到着した。

 2人は俺たちに近づき、戦闘態勢に入った。


「それで奴は?」


「あ、基地の……」


 俺が翔琉に事情を説明しようとした、その時。


「昇くん! 伏せて!」


「え?」


 悠里が弓を弾きながら叫んだので咄嗟に言う通りにした。

 悠里の指示通りに俺が伏せると、悠里は矢を飛ばした。

 ふと奴の方を見ると、奴が毒針を発射したのか、若干疲れ果てているように見えた。

 悠里にまで援護されちゃったよ! しっかりしろよ俺!

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