第六十話 凄いビーム、腕から出る!

 ベラベラと話している間に、甲殻類のモンスター……マッコーシュが襲い掛かる。


『や、やばい!』


「落ち着け昇!」


「落ち着けるかあああああ!?」


 奴は強固なハサミを俺に振り下ろす、当然攻撃を受けてしまう……が、攻撃は痛くも痒くもなかった。


『うお!? すげぇ! 全然痛くないぞ!』


「だから落ち着けって言っただろ?」


 奴は攻撃を仕掛けた影響か、怯んでいるようだった。

 これはチャンス!


「さぁ、その距離なら殴れるだろ!」


『よっしゃぁ! おらぁ!』


 俺は両腕を振り回して、マッコーシュの硬い甲羅を砕いた。


『うお! すげぇ! ……でもこの攻撃、近づいた相手にしかできねぇじゃん!』


「硬い装甲から放つ近接攻撃は凄まじいが、動きづらいのが難点だな」


 吹っ飛ばされたマッコーシュは、再び立ち上がり、攻撃を仕掛ける。


「ほら! それのメインは近距離攻撃じゃないぞ! 遠距離攻撃を仕掛けろ!」


『お、おう! 多分この両手だよな!? 例によってイメージか!?』


「うむ! ミニガンをイメージしろ!」


 イメージ、ミニガン……ミニガン……


『おらぁ!』


 両腕からミニガンを放ち、マッコーシュに命中する。


『うお! すげぇ!』


 奴は見るからにハチの巣になっている。


『これすごいな! これならどんな奴でも一撃じゃないか?』


「いや、欠点があってな……その攻撃は、素早い相手には効果が無くてな、マッコーシュは動きが比較的鈍いから上手くいったんだ」


『あー……』


 確かに、この攻撃は強いっちゃ強いが、素早い相手なら弓スキルのほうがよさそうだ。

 マッコーシュの甲羅は、もはや見る影もなくなっていた。


「さぁ、必殺技だ!」


 シェダルは首元をいじったのか、鍵が回る感触がした。


『バイクスキル必殺!』


 音声と同時に、両手にパワーが漲る。


「いくぞ! 必殺の両腕から出るビーム!」


『だからまんまじゃねぇか! ……まぁいい! 行くぜ!』


 シェダルは再び鍵を回した。


『バイクスキル! 走り過ぎフィニッシュ!』


 そんな音声が流れ、俺は両手のミニガンからビームを発射した。

 命中した後、マッコーシュは粉々に砕け散っていた。


「よし、回収だ」


 シェダルは収納スキルに変身し、粉々になった部位を回収した。


『これ……強いけど、あんま使え無さそうだな』


「確かにな……もっと調整が必要だな……よっと」


 シェダルは再び、俺の背中を押した。

 再びバイクに戻ったのか、目線が一点になる。


「さ、先へ急ぐぞ!」


『おう!』


 シェダルは鍵スキルになり、ギアを入れ、俺を走らせた。

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