第十四話 神殿探索、施錠されてる


「さて、これからどうしようか?」




 俺は聖堂の椅子に腰かけた。

 広間のゴブリンの死体は、これから生臭くなることが想像できたので、外に出しておいた(結構手間だった)

 一度戻ろうにも、ここから外までどのくらいかかるのであろうか?

 モンスターが出たということは、ここは外ではなく、まだダンジョンであると判断した。

 なんでダンジョンなのに花畑なのかは分からないけど……。


「というかこの神殿、まだ何かあるのか?」


好奇心、人間は誰しもが持っている感情。

俺は今、その感情が旺盛になっていった。

立ち上がり、広間に足を運んでみた



「やっぱり広いな、どこまであるんだ?」


 俺は特定の宗教を信仰しているわけでもないし、そういう施設に行くのは初詣で神社に行く時ぐらいだ。

 それ故に、こういった西洋の宗教施設というのは、いい意味での違和感がある。

 外国人が日本の宗教施設を見るときも、こんな感情を抱くのであろうか?

 下らないことを考えつつ、通路を歩く。

 扉を見つけたら、とりあえず開ける。

 先ほどのようにモンスターが襲い掛かる可能性も考え、ゆっくりと開ける。

 だが大抵の場合は、寝室だったり、石像を補完するための倉庫代わりだったりと、拍子抜けになることが多かった。


 ……しかし、とある扉を開けようとしたときは違った。


「ん? ここ……鍵が掛かってる?」


 一つの扉だけ、鍵で固く閉ざされていたのだ。

 今まで鍵穴はあっても施錠はされていなかったので、少し驚いてしまった。

 ……好奇心が膨らむ。

 今俺の持っている鍵と言えば……


「これか……? いやまさか……」


そのまさかだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る